石綿低濃度暴露時の肺胞マクロファージ活性化におけるカスパーゼとBc1-2の役割
Project/Area Number |
17790375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
西村 泰光 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90360271)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アスベスト / 肺胞マクロファージ / 肺線維化 / TGF-β1 / 免疫機能低下 / 中皮腫 / TGF-β |
Research Abstract |
昨年度までに、ラット肺胞マクロファージ(AM)をアスベストchrysotile B (CH)曝露下で培養した時、高濃度(50μg/ml以上)暴露時には迅速にアポトーシスが誘導されたのに対し、低濃度(5-10μg/ml)ではアポトーシスは誘導されず、TGF-β1産生が亢進されることが分かった。AMのTGF-β1産生はCH曝露下培養5日目以降も長期にわたり更に増加したことから、高濃度曝露時とは逆にCH低濃度暴露時には細胞の生存維持に関わる遺伝子発現増加が示唆された。そこで、抗アポトーシス遺伝子であるBcl-2,Bcl-x_Lの細胞内発現量をフローサイトメトリーにより定量した。10μg/ml濃度でCH曝露下培養3目後のAMではBcl-2,Bcl-x_L発現量が増加しており、特にBcl-x_Lの増加が顕著であった。また、50μg/ml濃度のCH曝露下では多くのAMはアポトーシスを示したが、残存するAMのBcl-2,Bcl-x_L発現量が増加しており、10μg/ml濃度曝露下のAMよりも高値を示した。これらの事から低濃度CH暴露は川のBcl-2,Bcl-x_L発現を誘導することが明らかになり、これらの発現増強は生存維持に作用していると考えられる。これらの事と昨年度明らかにした低濃度CH曝露によるTGF-β1産生誘導が組み合わさり、低濃度CH曝露後のAMによる長期TGF-β1産生亢進が導かれるものと考えられる。長期生存型AMによる持続的TGF-β1産生は、慢性的に肺上皮細胞・線維芽細胞を刺激し、肺線維化に寄与すると考えられる。また、産生されるTGF-βは石綿曝露者における抗腫瘍免疫機能を抑制し中皮腫発症に関係する可能性も示唆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)