Nephronophthisisモデルとしてのinvマウス嚢胞腎進展の遺伝子解析
Project/Area Number |
17790558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
杉山 紀之 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (90381954)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 嚢胞腎 / inv / マイクロアレイ / Nephronophthisis / 細胞増殖 / 細胞周期 / アポトーシス |
Research Abstract |
家族性若年性腎癆(NPHP)は尿毒症に貧血、多尿、多飲多渇症、等張尿症が進行し死に至る、常染色体の劣性遺伝性の疾患であり、子供や若年成人の末期腎臓不全の最も一般的な遺伝的要因である。最近、乳児型NPHPの責任遺伝子としてinvが報告された。inv遺伝子は内臓逆位と嚢胞腎を合併する変異マウス(invマウス)の責任遺伝子として我々が最初に同定したものであり、Invが正常に機能する事が正常な腎臓形成及び機能に必要であると考えられた。しかし、invマウスの嚢胞腎の分子学的解析は行われておらず、嚢胞腎形成でのInvの機能は全く分かっていなかった。 我々は嚢胞腎を発症するマウスとして、invマウスとinv partial rescueマウス(inv PRマウス)を有している。invマウスは出生時に既に嚢胞腎であり、出生7日齢までに死亡する。inv PRマウスは1週齢から嚢胞化し始め、4週齢で嚢胞化して死亡する。我々はinvマウスとinv PRマウスを用いて、尿細管上皮細胞での細胞増殖とapoptosisが亢進していること、さらに細胞周期制御因子が活性化していることを明らかにした。つまり、嚢胞化は尿細管上皮細胞の異常な増殖に起因している可能性が考えられる。そこで、我々は細胞増殖に関わる細胞内シグナルの解析を行ない、MAPK familyのうちのErkとp38が嚢胞発症初期から尿細管上皮細胞で活性化されていることを見出した。既にInvの欠失によりWntのCanonical経路が活性化する事が報告されたが、我々はinvマウスおよびinv PRマウスにおいてWntのCanonical経路で起こるβ-カテニンのリン酸化と核移行が正常腎と差がない事を確認した。したがって、嚢胞化にはWntのCanonical経路の活性化ではなく、MAP kinase cascadeの活性化によって細胞増殖が亢進すると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)