mRNA安定性調節による造血細胞の細胞周期・細胞死制御メカニズムの解析
Project/Area Number |
17790645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松井 啓隆 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (60379849)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Bim / Hsc70 / コシャペロン / アポトーシス / mRNA安定性制御 / p27^<Kip1> / mRNA安定性 |
Research Abstract |
これまでに研究代表者らは、サイトカインやRas変異体・Bcr-Ablなどの発がん遺伝子産物由来の増殖シグナルが、Bcl-2ファミリーに属するアポトーシス誘導因子Bimの発現を抑制し、細胞の生存を維持するメカニズムを解明した。 Bimの発現抑制は、多くの造血細胞や神経細胞ではmRNAレベルで起きるため、申請者らは当初この制御が転写調節によるものと考えたが、造血細胞では転写調節システムの関与は証明できなかった。 そこで代表者は、造血細胞ではBimの発現レベルはmRNA安定性制御システムにより調節されていると考え、解析を行った。IL-3依存性造血細胞株であるBaf-3細胞から、Bim mRNAの3'非翻訳領域(3'UTR)に結合するタンパク質群を精製し、このうちIL-3存在下と非存在下とでmRNAへの結合が変化する因子を質量分析器により解析した。その結果、IL-3によりBim mRNAとの結合能が低下する因子として、シャペロンタンパク質Hsc70を同定した。Hsc70がRNA結合能を有していることは以前より知られていたが、その生物学的意義は不明であった。代表者は、Hsc70はコシャペロンとよばれる一群のタンパク質(Bagファミリー蛋白質、Hip、Chip、Hsp40など)と複合体を形成し、その構成因子がサイトカインからのシグナルにより変化することを明らかにした。すなわち、サイトカインはHsc70とBag-4,Chipとの結合を促進する一方、Hip, Hsp40との結合を抑制する結果、mRNA安定化因子であるHsc70複合体のmRNA結合能を低下させる。 代表者が解明したこのシステムの役割は大きく、RNAiによりHsc70の発現を低下させると、IL-3非存在下でもBimは誘導されず、アポトーシスは遅延した。また白血病細胞ではRasやBcr講Ablに由来するシグナルが、Hsc70複合体のBim mRNAへの結合を阻害し、アポトーシスが抑制された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)