22q11.2欠失症候群における末梢T細胞の解析-胸腺外分化T細胞の役割について
Project/Area Number |
17790708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金谷 能明 九州大学, 大学病院, 助手 (80398065)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 22q11.2欠失症候群 / DiGeorge症候群 / 免疫不全症 / 胸腺外分化 / サイトカイン / T-cell homeostasis / NKT細胞 / Foxp3 |
Research Abstract |
22q11.2欠失症候群におけるT細胞の動態と遺伝子発現を解析し、免疫異常と胸腺の役割について検討した。フローサイトメトリーとリアルタイムpolymerase chain reaction(PCR)を用いて、患者の末梢血T細胞の数の変化およびサイトカインのプロファイルを解析し免疫学的に評価した。出生から成人までの観察期間において対照と比べてCD^<3+>, CD^<4+>, TCRαβ^+, CD8αα^+の各細胞数は少なく、CD56^+細胞数は多かった。CD^<3+>もしくはCD^<4+> T細胞の加齢による減少は対照と比較して緩除であった。CD8αα^+細胞の割合は対照で増加し、その傾きは患者よりも大きかった。一方、Vα24^+細胞の数と割合は患者で共に増加し、その傾きは対照より大きい傾向にあった。患者においてのみT細胞数とCD8αα^+細胞数との間に正の相関がみられ、また対照においてのみT細胞数とVα24^+細胞数の問に正の相関がみられた。T細胞におけるインターフェロン(IFN)γ、インターロイキン(IL)-10、transforming growth factor(TGF)β、cytotoxic T lymphocyte antigen 4(CTLA4)およびforkhead box p3(Foxp3)の遺伝子発現量は患者と対照に差がなかった。リンパ球サブセットもしくは遺伝子発現量と心臓病、低カルシウム血症、易感染性などの臨床症状との間には有意な相関を認めなかった。以上の結果から、22q11.2欠失症候群患者におけるTリンパ球減少は、加齢とともに一部のT細胞亜群の構成変化と関連して緩やかにおこることが示唆された。制限されたT細胞プールにおけるバランスの取れたサイトカインプロファイルは、胸腺欠損症におけるT細胞の恒常性維持機構を表していると思われる。なお、この結果はClinical and Experimental Immunology 2006 Apr;144(1):185-93に掲載された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)