皮膚電気刺激法を用いたヒトにおけるかゆみ過敏モデルの確立
Project/Area Number |
17790765
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生駒 晃彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (10378614)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | かゆみ / 痛み / かゆみ過敏 / 電気刺激 / C神経 |
Research Abstract |
健常被験者延べ30名に参加していただき、前年度の実験からわかった、かゆみ過敏を最も生じやすい波長、周波数の皮膚電気刺激を用いてかゆみ過敏を生じさせ、そこにヒスタミン、セロトニン、ブラディキニンを投与した際の反応を調べた。その結果、かゆみ過敏状態下においては、ヒスタミンにより通常よりも強いかゆみが生じた。セロトニン、ブラディキニンにもその傾向があったが有意差には到らなかった。このことは、3物質の全てによって有意にかゆみが強く生じたアトピー性皮膚炎のかゆみ過敏状態のほうが電気刺激によるかゆみ過敏よりも程度が強いことを示唆する。また、抗ヒスタミン薬内服によりヒスタミンのかゆみはかゆみ過敏状態下であろうとなかろうと完全に抑制できたが、セロトニン、ブラディキニンのかゆみは影響を受けなかった。これはアトピー性皮膚炎のかゆみ過敏状態と同じであった。また、ステロイド外用薬の塗布はいずれのかゆみにも影響を与えなかった。これは、アトピー性皮膚炎のかゆみ過敏と異なる点であり、電気刺激のかゆみ過敏が末梢の炎症と無関係に生じていることを示唆している。また、ヒスタミン、セロトニンで生じる軸索反射性紅斑の大きさには、かゆみ過敏状態下とそれ以前の状態とで有意差は見られなかった。これは電気刺激のかゆみ過敏が末梢神経の閾値低下よりもむしろ中枢性であることを示唆している。これらを総括すると、電気刺激誘発性のかゆみ過敏も炎症性メディエーターによるかゆみの程度を増強させるが、その程度はアトピー性皮膚炎の場合よりは弱く、その理由は、アトピー性皮膚炎のかゆみ過敏には炎症による末梢神経の閾値低下が含まれるのに対して、電気刺激のかゆみ過敏にそれが含まれないからであると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)