Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.放射線照射・抗癌剤曝露の併用効果の検討:ヒト胃癌細胞株3種(TMK-1/MKN-45/MKN-74)において、放射線+CDDPおよび放射線+5-FUの相乗効果が確認され、中でもMKN-45に対する放射線紀DDPで相乗効果が著明であった。2.放射線照射・CDDP短期曝露によって変動する因子の同定:(1)形態変化:各cell lineにおいて、5-FUまたはCDDP曝露により細胞間橋の脆弱化・扁平化・突起を有する形態変化を認めた。一方Radiationでは細胞の扁平化は認めず、核の変形・細胞質の不均一化を示し、アポトーシスの典型像と一致し、化学療法とは異なる変化をみた。(2)アポトーシス発現の動的変化測定:MKN-45におけるCDDP・5-FU・放射線の併用により誘導されるアポトーシスの定量(Cell Death Detection ELISAPLUS : Roche Applied Systems)を行い、抗癌剤単独曝露群では得られなかったアポトーシスの増強を放射線照射群で認め、抗癌剤を追加することで更なるアポトーシスの増強を認めた。(3)候補遺伝子発現の動的変化測定:MKN-45に対し放射線・CDDPを併用する実験系にて、非暴露群、CDDP暴露24hr/48hr後、CDDP・放射線併用24hr/48hr後の細胞を採取し、全mRNAを単離抽出してm-RNA相対定量PCR法を適用し、変動候補遺伝子(ABCC 1・2・11、ERCC 1)につき各群を条件を変更しながら測定試行中である。3.CDDP長期曝露による耐性株の作成:CDDPを長期暴露し、MTT法・Cell Count法にて耐性を評価、実験を繰り返し行い、耐性株を作製した。耐性株に対する放射線照射による細胞増殖抑制効果も確認された。現在CDDP耐性獲得に関わる因子を評価・抽出し、放射線照射による変動測定中である。