「先行話題未終了転換」が招くミスコミュニケーション-日中接触会話の分析から-
Project/Area Number |
17H00008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語・国文学
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
田中 奈緒美 島根大学, 寧夏大学国際共同研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
Fiscal Year 2017: ¥380,000 (Direct Cost: ¥380,000)
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Keywords | 日本語教育 / 接触会話 / 話題転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語と中国語のコミュニケーション・スタイルの違いが如実に現れる場面として雑談会話の話題転換に着目し、日本語母語話者と中国語を母語とする日本語学習者による、日本語での接触会話を収集・分析することから、両者の話題転換方法の違いについて考察した。まず、第一の成果として、会話参加者の性別、年齢、親しさ等の条件を統一した二者間接触会話を24会話収集したこと、及び会話に参加した日本語母語話者12名に対して会話の感想等を聞くフォローアップインタビューを実施したことが挙げられる。会話及びインタビューの様子は録音・録画を行っており、これらのデータを整理することにより、今後の研究に有益な日本語接触会話のデータベースの構築が可能となった。第二の成果は、収集会話とインタビューの分析から、日本語母語話者は、日本語学習者が積極的に話を展開しようとすることに対して好意的な印象を持ちながらも、話題の転換についていけなかったという意見が複数聞かれ、さらに、その摩擦を解消するために話題転換のためのストラテジーが役立っていることが明らかになったことである。既往の研究でもこのような現象が訴えられていたものの、実際の会話とインタビューを通して摩擦を指摘したものは今まで見られなかった。本研究により、中国人学習者の会話展開に対する日本語母語話者の感じ方の一端が明らかになったことは、日本語教育において会話の展開方法に関する教育が必要であることの証左となるであろう。今後は、本研究の成果を利用し、個々の話題転換のためのストラテジーの様相の解明に取り組み、日本語教育に取り入れるべき表現の確定に努めていきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)