Project/Area Number |
17H00013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
史学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柿沼 亮介 早稲田大学, 高等学院, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
Fiscal Year 2017: ¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
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Keywords | 外交使節 / 入境経路 / 高麗郡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、古代国家の外交権と地域支配の関係について、対外関係の最前線となる地域における地方支配や渡来系氏族に対する政策を検討することで明らかにし、古代国家の輪郭についての認識を深化させることを目的とした。 外交使節の入境経路としては、日本海ルートと筑紫ルートの両方が用いられている。新羅・高句麗・渤海から日本(倭)へやってきた外交使節の入境のあり方と、入境地の支配の関係をあわせて考えることで、外交権と地域支配の関係について検討した。また、新羅使の入京人数や構成について基礎的な検討を行い、人数の変化がどのような意味を持つかということを分析する下地とした。 さらに、渡来人の移配について、武蔵国高麗郡の事例を検討した。703年に若光という人物が高麗王という姓を賜与され、その後、716年に高麗郡が置かれている。なぜこのように二段階の政策がとられているかということについて、古代国家が小中華意識をどのように満たしていたかという視点から分析した。 こうした研究を通して、まず外交使節の入境には筑紫一難波一京という段階性があったという仮説を提示した。このことが、入境経路として筑紫ルートを重視する背景になっていたと考えられる。また、高句麗系の渡来系氏族については、高句麗の後裔国として扱われた渤海の建国により、国内に高句麗王権を疑似的に存続させる政策は継続しなかったものの、王臣化した存在として集住させられ、一定の役割を果たした。このように、古代国家の外交権は地域の支配と連関する形で保たれていたことを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)