Project/Area Number |
17H00022
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
史学
|
Research Institution | 宮内庁書陵部陵墓課 |
Principal Investigator |
加藤 一郎 宮内庁書陵部陵墓課, 主任研究官
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 後期倭鏡 / 中期倭鏡 / 鈴釧 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、これまで注目されてこなかった後期倭鏡を取りあげ、研究成果をあげてきた。しかし、後期倭鏡生産の終焉時期について確定させるにはいたっていなかった。また、これまで主要な鏡種について個別の分析は済ませていたものの、これらを総合的に検討する視点は欠けていた。 そこで、本研究ではこうした点を改善するために、これまでに検討してこなかった残りの鏡種に関する分析をおこなうとともに、前段階である中期倭鏡のおおまかな様相も把握しつつ、同時代の銅製品である鈴釧も分析することで後期倭鏡研究を総合化することを目指した。 古墳時代の鏡研究をおこなうにあたっては、断面形状や鏡背面の神獣像から製作の変遷を把握するために実物を直接観察することが肝要といえる。また、そのような観察項目を論文において客観的に明示するためには、実見の際に平面図や断面図を作成しておく必要がある。 本研究では, このような鏡を直接観察するための旅費に経費の多くを使用した。具体的には, 三重県津市・松阪市・名張市・伊賀市・三重県埋蔵文化財センター, 千葉県野田市・市原市・千葉市, 静岡県掛川市, 熊本県宇土市, 佐賀県立博物館, 東京国立博物館, 滋賀県野洲市, 大分県宇佐市・大分市, 岡山県総社市・倉敷考古館, 広島県耕三寺博物館, 愛媛県今治市, 神奈川県三之宮郷土博物館・厚木市, 茨城県北茨城市・茨城県立歴史館, 國學院大学博物館に赴き, 観察・図化・撮影作業を実施した。 その成果として後期倭鏡の生産終焉時期がTKIO型式段階頃(継体朝後≒欽明朝か)であることを示し, 古墳時代前期から続いた副葬品授受体系の一大転換がなされたことを指摘した。また, 後期倭鏡の総合的な体系を解明することによって, 倭王権の動態を提示した。 なお, その成果の詳細については査読誌論文(1本)と, 研究成果報告書(A4判, 164頁, 100部作成し関係者・関係機関等に送付)に記したので参照されたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)