スリランカ紅茶業におけるこどもの生活環境の比較-多様な経営形態の視点から-
Project/Area Number |
17H00033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地理学・文化人類学・地域研究
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Research Institution | 日本学術振興会 |
Principal Investigator |
福田 祐子 日本学術振興会, 国際統括本部国際企画課, 専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
Fiscal Year 2017: ¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
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Keywords | 教育 / 紅茶産業 / 居住地域間比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2016年度までに入手したデータ分析と独自に実施した現地調査データに基づき、経営形態別に生活環境やこどもの教育状況などについて比較検討した。しかしながら、これらはひとびとの生活状況による状況判断や主観的意見や考えの聴取したものであり、生活環境の衛生状態が科学的に必ずしも一致しているとはいえないことから、その補足調査として2017年12月後半に現地を訪れ、飲料水の大腸菌検査を行った。 経営形態間の比較を行うため、以前現地調査に協力してくれた農家20世帯、民営農園12世帯、半公営農園16世帯、半公営農園学校1校、デニヤヤ市内1か所の計50か所で4サンプルをとり大腸菌と大腸菌群の状況を調べた。民営農園や半公営農園では、長屋タイプの住居が多いため、各家の裏に源泉から引いた長いチューブに栓をつけ、飲料水を得ていたり、共有のタンクから飲料水を得ていたりする世帯も多いため、世帯数の数が少なくなった。 当初は、教育年数が高い農家や、居住内に水道がある家庭の方が大腸菌の数が少ないものと推測していたが、実験結果では必ずしも農家や、住居内水道だからといって大腸菌の数が少ないとは言えなかった。また、飲料水を共有しているから大腸菌が多いとはいえず、同じ源泉であっても、世帯により、大腸菌の数にはかなり違いがみられた。 本実験からわかったことは、経営形態によって安全な飲料水へのアクセスが異なるとは言えず、飲料水の共有の有無から不衛生な状態であるとは言えないということである。また、一見衛生的に見えなかった湧き水には大腸菌が少なく、大腸菌の数は水源そのものというよりは飲料水の管理が重要な要因であることが推測できた。 なお、農園における実験は農園マネージャの協力を得て行うことができた。大腸菌培養後の培地提供と結果を報告することにより、農園居住のひとびとへの飲料水の煮沸と衛生状態を改善する指導を行うこととするという連絡をいただいた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)