自治体との連携によるヘルシーフリクションベースの多文化実践対応力育成に関する研究
Project/Area Number |
17H00065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
猪口 綾奈 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
Fiscal Year 2017: ¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
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Keywords | 多文化理解 / 演劇的手法 / 異文化摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現実社会で起きる多様な人間関係の摩擦をヘルシーフリクション(健全な摩擦)へと有意味利用するために、人々がどのように摩擦に対応しているかを分析し、その分析からリフレクション(省察)を用いた多文化実践対応力の育成方法について探求することである。ヘルシーフリクションは人々の背景(年齢・所属・価値観など)が多様かつ現実的な社会現場で起きる健全な摩擦のことである。 具体的な研究方法は、松戸市の協力のもと日本人大学生と松戸市在住の留学生で演劇を媒体とした多文化理解協働ワークショップを実践し、参加者間のヘルシーフリクションの観察結果を分析した。多文化理解協働ワークショップの構成決定には9ヶ月以上の準備期間を要した。方法論の構築のために演劇ワークショップなどに参加しつつ、同時進行で松戸市との協議を行い、より効果的な活動を実施すべく議論を重ねた。そして、分析のためにワークショップを録画し、ワークショップ後には活動前後の感情の変化が省察できるよう質問紙調査を日本人と留学生の双方に行った。 その結果、ワークショップ前後の感情に大きな差が現れていることがわかった。日本人学生と留学生の双方とも活動前の緊張感や不安感が高いため、活動開始直後の摩擦は解決されることなく曖昧に処理をされたり、摩擦に気が付いていない様子が観察された。しかし、開始後30分も経つとコミュニケーションが滑らかになり、摩擦に対して適切な対処をしている様子が観察された。活動後半になると摩擦を摩擦と捉えず、摩擦を肯定的に受け止め楽しんでいる様子さえ見られた。つまり、適切な活動を介せば(本研究では演劇的手法)、摩擦からコミュニケーションが生まれ、相互理解が進むということが言えると推察できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)