Project/Area Number |
17H00081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)A
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大井 和彦 東京大学, 教育学部附属中等教育学校, 教員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 辞書選び / 相性 / 中学生用国語辞典 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 本研究は、中等教育において、国語辞典の特性(利点と欠点)を踏まえた更なる有効活用を目指すことにより、生徒の言語感覚への関心を高め、表現力と理解力の向上に寄与することを目指した。 研究方法 : 中学生では電子辞書の所有が増加し、高校生では英語学習目的の電子辞書購入者が多く、国語辞典の使用状況が圧倒的に少ない現状から、中等教育段階の国語辞典の使用について、紙辞書と電子辞書双方の可能・不可能の事象に着目させ、道具としての国語辞典を生徒自らが見直し、その使い方を再考させ、生活の上での辞書との向き合い方を考えさせることを意図し、以下のことを試みた。 ①国語辞典使用振り返りとして、所有する国語辞典に対するイメージやその使用状況を生徒同士で共有させた。②多種類の国語辞典が出版されている理由を実物を手に取らせて生徒に議論させた。③類語辞典の存在周知と使用促進とによって、辞典の種類の広がりから言語生活の充実がどのように想像できるかを議論させた。 研究成果 : ①では多くが小学校で紙媒体を所有しつつも、その使用目的は「意味調べ」「表記(漢字調べ)」のみであることがわかった。紙媒体と電子媒体との比較は、身体感覚からの使用実感の意見が多く、紙書籍と電子書籍との関係と同じ様子が見られた。②では中学生では辞書も実在の人が意図を持って編集したことがよく認識できていた。高校生では紙と電子の選択に自分の相性も考慮に入れている様子があり、選択の上で辞書に何を求めるかという観点が持てた様子が見られた。③は、②と同様に高校生には使用の広がりの可能性を自覚する生徒が見受けられた。 実践の課題としては、使用に関する更なる生徒自身による相対化(特に中学生において)を進められなかったことが挙げられるが、一方でやはり中学生向けの国語辞典の可能性も考えられないかという考察に至った。 なお、実践報告は関係学会誌に投稿準備中である。
|