Project/Area Number |
17H00092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)A
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Research Institution | 東京都立国際高等学校 |
Principal Investigator |
高松 美紀 東京都立国際高等学校, 国際バカロレア部, 指導教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2017: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 国際バカロレア / ディプロマプログラム / 国語科 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、本研究の目的は、国際バカロレアディプロマプログラム(以下「DP」)における「言語A : 文学/言語と文学(日本語)」(以下「DP『文学/言語と文学』」)を一条校で導入する際の可能性と課題、担当教師の専門性について実証的な知見を提示し、今後の研究や実践に資することである。 2、本研究の意義は、DP「文学/言語と文学」の有効性と課題を、従来の国語科教育との比較、担当教師の意識と実践知から実証的に明らかにしたことである。 3、研究方法は以下の通りである。(1)文献研究からDP「文学/言語と文学」と「国語」のカリキュラムや学習方法、評価などを比較・検討した。(2)国内外のDP「文学/言語と文学」担当者を対象に半構造化面接、フィールドワークを実施し、担当教師の背景や指導方法、教育観、教師としての成長について分析・検討した。(3)報告者の授業実践をポートフォリオやプロトコル分析などにより検討した。 4、研究成果は以下の通りである。(1)DP「文学/言語と文学」は、学習目的から学習内容と方法、評価までの一貫性や、生徒のアイデアや解釈の発展のさせ方、言語表現の分析の仕方、獲得したスキルのメタ認知や応用、異文化理解などに特徴が見られた。一方で古典作品や日本語独自の言語表現の扱いには課題もある。(2)長年の経験を持つインター校の担当者や、国語科教師からDP「文学/言語と文学」担当になりまだ経験の浅い教師の語りからは、文学・日本語の専門的知識に加え、どこまで教え込むかの見極めや、議論やアイデアを発展させるファシリテーターとしての力量、マニュアル化に陥ることなく自ら学習者に応じて学習を創造する能力がDP「文学/言語と文学」担当者に求められることが明らかになった。(3)授業実践分析からは、生徒が主体的に学び合うことで論理性に基づいた独自の解釈を発展させる、学んだ概念やスキルを他の学習に積極的に転移する、TOKの要素を意識することによって相対的に言語文化を捉え直す、などの成果が見られた。
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