藍を通して暮らしに生きる自然の学習を支える栽培技術の確立
Project/Area Number |
17H00121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)B
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
龍野 巳代 鹿児島大学, 教育学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
Fiscal Year 2017: ¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
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Keywords | 藍 / 染色 / 遮光 |
Outline of Annual Research Achievements |
藍は「ジャパンブルー」として日本を象徴する色で、古くから青を染める天然染料として用いられている。原料となるタデアイは栽培管理が容易で、学校教育において、緑の葉から青に染まる不思議を体感できる教材として応用できる。しかし、生葉染めは収穫してすぐの葉を用いる必要があり、きれいな青色に染めるには夏休みを含む7~9月に限定されるので、教材として導入しにくい。本研究では、遮光の開始時期を3回に分け遮光期間の違いが藍の葉へどのような影響を与えるか調査した。また、遮光率の違うネットを被せ、遮光率の違いによる影響についても調査した。 タデアイは市販で購入し、5月中旬に播種し露地にて栽培した。8月上旬より第1期の遮光を開始し、遮光率22%、50%、75%の3種類の遮光ネットを被せた。第2期は8月下旬、第3期は9月中旬と3週間の遮光期間の違いで遮光を行った。調査については第1期の遮光開始日より行い、藍葉の収穫前に葉緑素計でSPADを測定し、収穫後、生葉染めを行った。染色布は色彩色差計で測定し、JIS L8729に準じてL*a*b*表色系で数値化した。また調査開始時と終了時の計2回、生葉1gを加熱乾燥式水分計にて水分率を測定し、その後、乾燥葉をエタノール25mlで4週間抽出し、分光光度計にて吸光度を測定した。 遮光期間の違いや遮光率の違いに関わらず、遮光を行うと長期で青に染まったが、特に8月上旬に遮光率75%の遮光ネットを被せたものは11月中旬においても濃い青で染まり続けた。このことから、花芽が付く前に遮光率の高いネットを被せることにより、長期で青の色素を保持することがわかった。したがって、藍の遮光栽培は、青に染まる時期を限定することなく、安定的な教材の確保を可能にし、児童の活動を円滑に進めるために有効だと考えられる。また、台湾の藍農家を調査した際、琉球藍の遮光栽培は、湿度を高めることで青の色素を長期で保持することもわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)