Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 4年生児童を対象に和太鼓を学習材として取り上げ, 他者と関わり合いながら演奏を完成させていく活動が, 児童の協働的に学ぶ力を培うことに繋がるかを検証していくことである。 2. 研究方法 和太鼓を使った音楽づくりの学習を通して, 「リズムを即興的につくって打つことや, かけ合いを意識した他者とのやりとりが協働的な表現につながっていたか。」「ペアや班での関わりの中で児童の演奏やふり返りの記入内容を確認し合うことが協働的に学ぶ活動に繋がるか。」について授業時の児童の様子やふり返りの記入内容, 実際の演奏の様子などを基に考察を行った。 3. 研究成果 我が国の郷土の伝統音楽を教材に, 楽譜を使わない伝承方法・体験の少ない和楽器を使った音楽づくりを行った結果, 毎時間のふり返りを次時の学習の初めに確認したり伝え合ったりすることで, 課題解決に活かしながら音楽の表現を追及していく姿が見られた。また, 単元をとおして, 児童の関心意欲が低下することなく発表会を迎え, 「もっと表現したい, もっと演奏したい」という思いを引き出すことができた。他のチームの表現の工夫や太鼓の打ち方・音色に関してなども気付きとして挙がっており, 自分の表現だけでなく他者の表現に影響を受けて「次はこうしたい」「もっと工夫したい」という感想が見られたことからも, 他者の表現に触れることで自分の表現のふり返りを行い, 次の学習にいかそうとすることができていたといえる。今回の実践では, 和太鼓を学習材として音楽づくりを行う活動は, 協働的に学ぶ力を培うことに繋がるということを確認することができたが, 児童が協働的に学習を進めていくことのできる授業の展開や教材・教具の開発について更に考える必要がある。
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