Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 : 本研究の目的は, 児童の音楽科の本質に関わる資質・能力を育むために, 箏を使ったふしづくりによる授業を行うことを通して, 箏の有効な活用方法を示し, 音楽科の授業開発を行うことであった。 2 研究方法 : 次のような方法で研究を行った①本研究における授業構成と, 児童の姿による評価を行うためのルーブリックを作成する。②作成したルーブリックをもとに, 授業実践を行い, 児童の音楽科の本質に根差した資質・能力と, 音楽的能力を図るための質問紙調査を授業前後に実施する。③質問紙調査によって得られた結果を, 量的に検証するとともに, 授業の中で見られた児童の姿を, ビデオ観察により質的に検証し, それぞれの結果を統合する。 3 研究成果 : 箏をふしづくりで活用する際の有効な点は, ①弦を弾くと音が鳴ること, ②箏柱を動かせば自由に音階を変化させることができることである。それらの箏の性質は, 児童が即興的且つ自由自在にふしを創っていくことを容易なものとし, 児童の創作意欲が持続した要因であった。また, 本研究の授業実践では, 箏の学習を通して「なりたい自分」を一人ひとり考え, 「なりたい自分」を具体化するために, 題材を通してめざす姿を3段階のルーブリックにして提示することで, どのような姿が望ましいのかを価値づけ, 子どもたちが「なりたい自分」とめざす姿とを反映させてフィードバックしてきた。このことを通して, 箏の知識・技能習得のみならず, 教科の中で育むことのできる資質・能力の要素を, 児童の姿から表出していくことができた。
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