赤目砂鉄に分類される砂鉄を使用した古代製鉄技術の研究
Project/Area Number |
17H00287
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学
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Research Institution | 神奈川県立鎌倉高等学校 |
Principal Investigator |
木浪 信之 神奈川県立鎌倉高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2017: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | たたら製鉄 / 赤目砂鉄 / チタン成分 |
Outline of Annual Research Achievements |
チタンを多く含む赤目砂鉄を原料として古代たたら製鉄の研究を行った。砂鉄に含まれる元素成分は元になる母岩の生成過程に影響を受けるため、産出地域によって差異が生じる。特に、チタンの含有量が5%以上の砂鉄を赤目砂鉄、それ以下を真砂砂鉄として分類している。両者の融点には差があり、異なる製鉄方法が確立された。このように、古代製鉄では原料となる砂鉄に適応した製鉄方法が考案されたため、たたら炉の大きさや形状は地域によって異なって発展したと考えられる。このような背景を踏まえ、同じ赤目砂鉄に分類される鎌倉砂鉄(神奈川県鎌倉市)および、東浪見砂鉄(千葉県九十九里浜)、種子島砂鉄(鹿児島県種子島)について同一工程で砂鉄選鉱およびたたら製鉄を行った。その結果、いずれの赤目砂鉄においても高純度の鉄を得ることができることを確認した。この結果、我々が確立した製鉄工程は赤目砂鉄に適した製鉄工程と考えることができる。本工程では製鉄のパラメータになるのは砂鉄密度、選鉱方法、添加粘土量、装荷比、炉内温度、送風量、炉の高さ、炉内構造、木炭の品質である。さらに、鎌倉砂鉄から得られた鉧(生成鉄)の鍛造、研磨により短刀を作ることができた。これまで、鎌倉砂鉄から得られた鉧は鍛造が難しく刀に成形することが困難だったため、鎌倉砂鉄は刀剣の原料には適していないと考えられてきた。しかし、本研究結果により古代の鎌倉でつくられた刀の原料には鎌倉砂鉄は使用されていないという考え方に一石を投じる結果となった。 炉内観察と原料となった砂鉄および鉧について鉄を含む17種類の元素分析を行ったところ、鉧生成の過程において合金液滴が形成され、炭素(一酸化炭素ガス)によって強力に還元されていることが確認された。その結果、炉底に不純物を含まない高純度の鉧が生成する。一方、砂鉄とケラに微量に含まれる銅およびニッケルの成分割合はほとんど変化が見られないことがわかった。これら微量元素の含有量変化を調べることで鉧や古代鉄の原料になった砂鉄の産地を特定する手がかりになる可能性があり、今後の研究に期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)