高度教育研究支援を目指した鉄ガンマ線メスバウア分光による材料評価法の開発
Project/Area Number |
17H00289
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理学
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
尾上 昌平 鹿児島大学, 研究推進機構研究支援センター, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
|
Keywords | Sm2Fe17N3永久磁石 / 強磁場中熱処理 / 鉄ガンマ線メスバウア分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
最強の永久磁石であるネオジム磁石の代替材料として期待されるSmFeN系磁石は、焼結合成過程で熱分解する弱点を持っている。問題解決の一つとして新たな熱処理が挙げられる。本研究では、試料が持つ自由エネルギーを減少させ、従来法とは異なる材料合成・分解の状態を作り出す。得られたSm_2Fe_<17>N_3磁石について、鉄ガンマ線メスバウア分光法にてFeの分解状態を明らかにすることを目的とした。 研究期間の前半は、共同利用を見据えた良質のSm_2Fe_<17>N_3を合成するための合成炉(プロットタイプ)の製作を行った。圧力計は視認性良くする位置に配置し、全てのバルブ類は大人研究者が立ったときにて腕の高さに来るようにした。炉はPDI制御で複数の熱処理パターン(室温~700℃)を行えるようにした。試料合成前に高真空処理ができるように配管は全てステンレスパイプとし油拡散ポンプで排気できるようにした。約3g程度の試料を合成できる。その後、試料合成最適条件を見出し本実験に移った。 本実験では母合金Sm_2Fe_<17>に対して、N2ガス雰囲気中で熱処理を行った。合成したSm_2Fe_<17>N_3は、窒化に伴う重量変化及びXRDにて評価し、良好な試料ができていることを確認した。合成試料は、種々の条件の分解熱処理を行った。得られた分解試料に対してメスバウア分光測定を行った。メスバウア分光測定では、窒化合成後のSm_2Fe_<17>N_3と各分解試料のスペクトルを比較し、鉄析出量を評価した。 実験の結果、熱処理時間の長さに伴い鉄析出量が増加することが明らかになった。その原因については現在検討中である。 本研究成果は2017年度信州大学実験・実習技術研究会において報告された。技術職員間でもなじみの薄いメスバウア分光法の詳細を紹介し、放射線利用研究の促進及び放射線安全利用のあり方について議論を深めた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)