結晶面を観察できる二元合金の金属結晶を作成する授業の構築
Project/Area Number |
17H00294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | 呉市立呉高等学校 |
Principal Investigator |
東川 大志 呉市立呉高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2017: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 金属結晶 / 二元合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属は日常生活を支える重要な物質であり, 性質の実験が小・中学校で行われている。しかし, 成形された製品しか目にすることがなく, 金属が結晶になるイメージは持ちにくい。高等学校で金属結晶を扱うが, 教科書には結晶だとわかる写真の掲載はなく, 観察も設定されていない。生徒実験で作成・観察できれば, 生徒はより意欲的に学習に取り組むと考えられる。金属結晶の作成例として, Biの結晶作成・観察が簡便だと知られているが, 高額なため生徒実験をさせることが困難である。そこで, 簡便に低価格で生徒実験を行える方法として, CuとSnの二元合金を用いた金属の偏晶を作成・観察する授業の構築を行った。 金属は合計重量を3gに統一して実験を行った。二重の磁性るつぼの内側に金属と粉末活性炭2gを入れ, 外側に粉末活性炭を1.5g入れ蓋をした。そのるつぼを, ターンテーブルにレンガを敷いた家庭用電子レンジ(700W)で10分間加熱し, 金属を融解させ偏晶を作成した。 断熱に用いるレンガは耐火である必要はなく, 薄型でも行えた。陶器の皿等でも断熱を試したが, 割れてしまい安全に実験できなかった。仕込み量でSnが60wt%~88wt%で板状の偏晶が見られた。76wt%での偏晶の単結晶X線回折・粉末X線回折の測定を行い, 結晶ができていることが確認できた。また, るつぼ3個までなら同時に完全に融かすことができた。 授業ではSnとCuを2.3gと0.7gにして反応させた。実験を失敗する班も見られたが, 50分で実験・観察の全ての工程が行え, 成功した班の偏晶を利用して全生徒が肉眼で観察できた。また, 実物投影機での拡大表示で, 細部まで観察を行った。消耗品となる金属と活性炭は, 1クラス8個で260円程度だった。 以上の通り, 教科書にも掲載されていない金属結晶の実物を作成・観察する実験手法を, 偏晶を用いることで簡便な手順で安価に行えるものとして実現した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)