Project/Area Number |
17H00299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | 神奈川県警察科学搜査研究所 |
Principal Investigator |
日下部 幸祐 神奈川県警察科学搜査研究所, 技術系職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
Fiscal Year 2017: ¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
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Keywords | 超臨界流体クロマトグラフィー / カチノン系薬物 |
Outline of Annual Research Achievements |
危険ドラッグに含まれている違法な薬物は似た骨格構造をもつ化合物群に分類されるが、その中には構造異性体が多く存在する。これらの識別は現行最も多く用いられている薬物分析法であるガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)、高速液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)であっても難がある場合があり、新たな分析手法が求められている。そこで、本研究では超臨界クロマトグラフィー質量分析(SFC/MS)による種々のカチノン系薬物の構造異性体について識別を試み、従来法との比較を行いその優位性を検討した。 カチノン系薬物は芳香環、アミノ基、アルキル側鎖に様々な置換基が結合していることから、これらの置換基が各分析手法に与える影響を調査した。芳香環の置換基としてフッ素、メチル基、メトキシ基を、アミノ基の置換基としてメチルアミノ基、1-ピロリジニル基を、アルキル側鎖として直鎖状C5、C8を有するカチノン系薬物の構造異性体18種類を合成し各分析に使用した。 芳香環上の構造異性体識別に有効であるペンタフルオロフェニル系カラムを用いたLC/MS(移動相は汎用されるメタノール-10mMギ酸アンモニウム系)ではメチル基、メトキシ基を有する化合物の保持が極めて強く、検討した条件では不適であった。無極性及び微極性カラムを用いたGC/MSではLC/MSに比べ良好な分離を示したものもみられたが、フッ素置換基を有するピロリジノフェノンの構造異性体の一部が熱分解するため不適であった。 フェネチルアミン系構造異性体の高速分離を達成している条件でのSFC/MSを行ったが、カラムへの保持が極めて弱く分離はメトキシ基を有する化合物のみで達成された。しかし、分析条件やカラムの検討を行ったところ、Viridis CSH Fluoro-Phenylカラムを用いることにより、分析種全ての構造異性体の分離をわずか5分弱で達成した。さらに、移動相の比率を変化させた条件に変更したところ、ひとつの分析条件でこれらの分析種全ての分離が可能であった。
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