エナンチオ選択的反応の根本原理を直感的に学習するキラル化学実習の構築
Project/Area Number |
17H00312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宮川 しのぶ 福井大学, 工学部技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | キラル化学 / 結晶 / ストレッカー反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
「研究の目的」 アミノ酸は、生体が利用する最も代表的なキラル化合物であり、実像と鏡像の関係にあるエナンチオマーが存在する。キラル分子の構造的特徴を理解し、その生成機構を反応原理の観点から学習することは、キラル化学研究の第一歩である。本申請は、学部学生を対象とする簡便で安全な不斉ストレッカー反応を構築し、教科書による学習と相補的に展開可能なキラル化学実習の開拓を主目的とする。 「研究実施計画」 新たな不斉誘導原理に基づき、確立しつつある本不斉反応を、下記①~④に着目して、学部学生が実習において実施可能な簡便で確実な実験へと改良する。 ①イミン単結晶の作成②反応面の選択③使用する試薬の改変④キラル分析 「研究成果」 イミン単結晶は温度降下法もしくは蒸気拡散法により単結晶を得ていたが、更に再現良く単結晶を得るためにシーディング法を検討した。これまでの単結晶作製条件をもとにイミンのエナンチオトピック面(SiもしくはRe面)を識別可能な微小な単結晶を再現よく作製するための最適な条件を検証し、その条件において種結晶となる単結晶を得た。その後、シーディング法による結晶成長を実現した。特に温度については単結晶成長に大きく影響するため、一定の温度で維持することで多結晶にならないように工夫した。また種結晶を使用することで単結晶作製時間も短縮することができた。反応面の選択はこれまでの樹脂を用いた被覆法が最適であり、短時間で硬化するエポキシ樹脂を選択して行った。本反応はアルコール溶媒を使用する。研究の安全性、試薬取り扱いの容易さからシアン化水素に代わってトリメチルシリルシアニドも使用可能と想定されるが、実習に対応するためさらなる検討が必要である。また、キラル分析時間の更なる短縮を目的に溶出溶媒及び流速の検討を行い、より短時間での条件が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)