サファイアのナノテクスチャ加工とナノ粒子の組み合わせによる摩擦低減とその持続効果
Project/Area Number |
17H00329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)A
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
春日 博 国立研究開発法人理化学研究所, 大森素形材工学研究室, テクニカルスタッフI
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2017: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | サファイア / 微細溝 / ナノテクスチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
人工的に結晶成長させたサファイア(Al_2O_3)は、light emitting diode(LED)用基板や光学部品等に用いられている。また、高硬度であることから精密機器の摺動(しゅうどう)材への利用が期待されている。しかし、モース硬度9(ビッカース硬さ2200前後)を有し、機械加工が困難な材料の1つである。 このような高硬度材料も、深さ100nm未満の領域では、荷重によって表面がゴムのように弾性変形する。この特性を利用し、刃先先端がnmオーダーの鋭さを持っていない場合でも、深さ10nm以下の溝加工が可能であり、微細な溝を組み合わせてnmオーダーの幾何学模様(ナノテクスチャ)を作製可能であることが明らかになった。そして、ナノテクスチャに対して粒径がnmオーダーのナノ粒子を組み合わせ、ボールベアリング効果による摩擦低減が期待できると考えた。 摺動材への利用を視野に入れたナノテクスチャ加工実験の結果、工具送り速度を比較遅く(10mm/min以下)設定すると、溝両側が隆起した一方、比較的速く(50mm/min以上)設定すると、隆起が低減した。工具送り速度と隆起の間には強い相関があり、ナノ粒子との組み合わせに適した、隆起の少ないテクスチャ加工条件が明らかになった。 また、ナノ粒子との摩擦試験を視野に入れた溝近傍への押し込み硬さ試験の結果、工具送り速度を比較的遅く(10mm/min以下)設定した溝近傍では、未加工領域と比較してビッカース硬さが14~24%減少した一方、比較的速く(25mm/min以上)設定した溝近傍では、硬さの減少は1.6~2.0%であった。硬さの減少には有意差があり、ナノテクスチャ近傍の硬さ減少を抑制可能な加工条件が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)