液相焼結法を用いた簡便なAI-ZrO2系マイクロ鈴構造体の開発
Project/Area Number |
17H00333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)A
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐竹 忠昭 山形大学, 工学部, 技術員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
Fiscal Year 2017: ¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
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Keywords | 鈴構造体 / 液相焼結 / 制振特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、液相焼結法を用いてA1多孔質体中にZrO_2微粒子を内包した制振と吸音特性を有する鈴構造体を開発することを目的とした。母相となるA1粉末には平均径150μmの球形粉末、300μmの針状と600μmの紡錘状粉末の3種類を用いた。液相形成粒子には平均径150μmのA1-12Si球形粉末を採用した。核微粒子には平均径400μmのZrO_2球形粒子を用いた。また、液相焼結中の溶融A1とZrO_2粒子の接合防止と空孔形成のため、あらかじめZrO_2粒子表面を厚さ約200μmのカーボンで被覆した。A1粉末、A1-12Si粉末とカーボン被覆したZrO_2粒子をエタノールを媒体として混合した後、600℃の真空炉(3×x10^<-3>Pa)で2時間加熱し液相焼結した。この時の加圧力は0.15kPである。最後に、大気中470℃、1時間加熱しカーボンを燃焼除去することで鈴構造体を製作した。焼結後、鈴構造の形成を確認するため樹脂を真空含浸し、鏡面研磨後にSEM観察した。その結果、多孔質A1焼結体中の径800μm程度の空孔内にZrO_2粒子が内包されており、鈴構造体の形成が確認できた。中央加振法により振動吸収特性を測定した結果、損失係数(η)は一次共振点で高く周波数依存性を示すがZrO_2含有量の増加とともに上昇することが分かった。ZrO_2含有量を30wt.%とした試料では損失係数(η)の値は0.06~0.09となっており、A1合金の損失係数(η=0.0004)に比較して著しい増加が確認できた。A1原料粉末の形状とサイズに関しては、小径の球状粒子より大径の針状と紡錘状粒子が損失係数の上昇に有利であることが分かった。吸音率は垂直入射吸音率測定装置を用いて測定した。その結果、ZrO_2の含有量が増すにつれて吸音率が大きくなることが確認でき、ZrO_2含有量を30wt.%とした試料では90%の吸音率が得られた。このことから、吸音メカニズムとしても鈴構造が有望であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)