小規模密閉空間を模擬した液化ガス漏洩時の拡散特性の研究
Project/Area Number |
17H00366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ(電気・電子系)A
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
日比 美彦 豊橋技術科学大学, 研究支援課, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 酸欠 / 窒息 / 液化ガス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エレベータ中での液体窒素(LN2)の漏洩による酸欠事故の危険性を理解する教材とするために、実物大の模擬閉鎖空間を作成し、LN2漏洩時の気化によって生じる酸素濃度変化を計測し、LN2漏洩量で酸素濃度がどの様に変化するのかを観測して危険性を検証した。多くの利用者が使用する安全な小型容器(シーベルとクリックの5l、10l容器)が横転した際に流出するLN2量を基準として、模擬空間でLN2漏洩・拡散実験を行い、危険な酸素欠乏空気(18%以下の空気)が発生するか、また、空間内のどこに、どの規模(危険度、出現時間、大きさ)で現れるか実験し危険性を検証した。 実験は、①容器横転時(数秒間)のLN2漏洩量の計測。②模擬空間の作成と、LN2流出実験。③模擬空間を20個に細分化し、温度センサ、酸素濃度計を配しLN2流出時の温度と酸素濃度の変化を計測。④サーモグラフを用い温度変化と酸素濃度変化の可視化を検討した。 LN2流出量を100~400ccまで変化させ実験を行った結果、流出量200cc、高さ0.5mの位置で18%以下の酸素欠乏空気層が現れた。250cc以上では必ず18%以下が現れ、16%以下の領域も確認した。400ccでは、16%以下に加え、14%以下の値も確認した。高さlmの位置でも18%以下を確認しており、400cc以下の少量流出でも十分危険なことが検証できた。 過去には、LN2を実験室に散布して観察した報告例があるが、いずれの場合も閉鎖空間に多量のLN2を散布して酸素濃度低下を示して、危険・注意喚起を促すものであった。本研究は、小規模な密閉空間においてLN2漏洩が少量でも酸欠事故の危険が生じることを、具体的な数値で明らかにした。また、視覚や体感的な変化(急な温度変化)を感じなくても、危険な状況が発生することを数値で示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
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