飢餓ストレス応答機構解明に向けた分子イメージング手法の開発
Project/Area Number |
17H00429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅰ(植物)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岡田 千沙 東海大学, 生命科学統合支援センター, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2017: ¥360,000 (Direct Cost: ¥360,000)
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Keywords | 真正粘菌 / ホスファターゼ / 原形質流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
真正粘菌変形体は飢餓ストレスに曝されるとアクトミオシン系で制御された活発な原形質流動を停止し, 細胞壁が形成されて単核の耐性型細胞のスクレロチウム(Sc)へと分化する。このメカニズムを明らかにする事は, 細胞運動の制御・ストレス環境耐性型細胞の構築の解明に重要であると考えられる。私はこれまで変形体からSc形成過程において, 0.5日目に活性・タンパク質およびmRNA発現量のピークを示す新規のミオシンホスファターゼE1を報告してきた。 本研究では, 変形体からSc形成誘導過程におけるE1・ミオシン・アクチン等の細胞内局在を, 分子イメージング手法を用いて調べることにより, Elの原形質流動停止における分子機構を明らかにする事を目的とした。 変形体・Scおよび変形体からSc形成誘導0.5日目の細胞をサンプリングし, 抗E1抗体, 抗ミオシン抗体を用いて蛍光抗体法による免疫染色を行い, アクチンはPhalloidinを用いて染色した。染色後は共焦点レーザ顕微鏡を用いて観察し, 網羅的画像解析にはハイコンテントアナリシスを用いた。 その結果, 変形体およびScにおいて, E1・ミオシン・アクチンは近傍に局在することが確認できた。Sc形成誘導0.5日目においては, E1・ミオシンはともに細胞周辺部に局在し, 形態はアクチンと異なり複数の円形が集まっていた。E1・ミオシンに対応する蛍光強度をアクチンに対する蛍光強度で補正し比較したところ, Sc形成誘導0.5日目にピークが認められた。 これらの結果からElは原形質流動停止に関与することが明らかになり, さらにその形態変化からアクトミオシン系以外の細胞内シグナル伝達にも深く関わっていることが示唆された。今後は変形体からSc形成に関わる他の分子を探索しE1との関連を調べることで, 変形体が飢餓ストレスに応答して運動を停止し、冬眠状態に遷移する詳細な分子メカニズムを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)