Project/Area Number |
17H00435
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅱ(動物)
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
川口 亮 国立大学法人琉球大学, 大学院医学研究科人体解剖学講座, 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
|
Keywords | ヨシノボリ属魚類 / マイクロCT画像 / 幾何学的形態測定解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的) 本研究では琉球列島産ヨシノボリ属魚類の頭部骨格形態に注目し、幾何学的形態測定法を用い形態と環境の関連について研究を行った。本属魚類の「すみわけ」理論は有名で、同一河川に生息するヨシノボリ属魚類は、河川形態の違いを利用し、下流から上流へ局所的にまたは大局的に生態的隔離を構築している。これまでに頭部形態と生息環境の関係が示唆されてきたが、残念ながら形態学的証拠は存在しない。 研究方法) シマヨシノボリ、アヤヨシノボリ、クロヨシノボリ、ヒラヨシノボリを分析対象とし、沖縄本島北部および石垣島の河川で採集を行った。ヒラヨシノボリは琉大所蔵の標本を使用した。標本採集と同時に、河川形態、河川規模、川幅、水深、流速、川底粒度、採集地点の標高や河口からの距離などの環境指標を収集した。マイクロCT撮影は琉球大学医学部所蔵のRigaku社製R_mCT2を用い、Amira 6.0.1でDICOMデータから神経頭蓋のサーフェイスデータを抽出した後、Checkpointでランドマークとセミランドマークを合計44点設定し、RとMorphoJを川い3次元座標データの幾何学的形態測定解析を行った。 研究成果) シマヨシノボリ(平南川N=72、与那川N=14)、アヤヨシノボリ(平南川N=70)、クロヨシノボリ(与那川N=21)、ヒラヨシノボリ(浦内川 N=8)のマイクロCT画像を分析に供した。シマヨシノボリとアヤヨシノボリを用いて雌雄差の検討を行った結果、神経頭蓋背側面が雄で扁平になる傾向が認められた。シマヨシノボリとアヤヨシノボリを用いて雌雄別に種間比較を行った結果、雌雄共にシマヨシノボリは前頭骨を除く神経頭蓋部分が狭くなる傾向が認められた。シマヨシノボリは流速のある瀬を、アヤヨシノボリは淵の流れの緩やかな場所を好む。今後より詳細な検討を行う事で、頭部骨格形態と環境の相関が見いだせると期待する。
|