Project/Area Number |
17H00441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅱ(動物)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 一幸 東海大学, 海洋学部博物館, 博物館学芸員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥390,000 (Direct Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2017: ¥390,000 (Direct Cost: ¥390,000)
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Keywords | ラブカ / 胎仔 / 深海性サメ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本計画では、ラブカの胎仔および受精卵を対象とし、その長期飼育を目的とした。しかしながら、それらの収集は大変難しく、まずは成体、さらに成熟した雌個体を収集することが必要となる。そのため、協力者である当館周辺の漁業者とのコミュニケーションを密にして、成体の過去の入網状況などについて多くの情報を集めるとともに、新たに捕獲された場合の対応などの周知を徹底した。その結果、2017年度は雌成体を計3個体収集することが出来た。それらの成体からは、既に卵殻が外れているものの未だに大きな卵黄嚢を持つ胎仔を複数個体得た。それらについては「ラブカ研究プロジェクト」の一環として飼育に挑戦し、さらに東海大学海洋科学博物館(以下、当館)とふくしま海洋科学館において約2か月間の公開展示を行うことが出来た。このようなラブカ胎仔の飼育はこれまでに例がなく、水族館展示としては世界初の試みであったと考えられ、水族館における深海性生物の飼育展示の発展に繋がる成果となった。 一方、野外におけるラブカ成体の自家採集と調査を目的に、冬季に本種の混獲情報が多い駿河湾奥部の刺し網漁に同乗した。ラブカは入網しなったものの、同じく深海性サメ類として知られるヨロイザメやアイザメなどが混獲された。そこで、ラブカ飼育の予備試験を行うことを目的として、生体を当館の大型水槽に搬入したが、殆どの個体が数日で死亡した。しかし、ヘラツノザメについては多くが成熟した雌であったため、ラブカと同様に開腹したところ、受精卵と卵黄嚢を持つ小型の胎仔を得ることが出来た。そして、飼育試験を行った結果、最長10日間の飼育記録が得られた。 今後もラブカ成体の収集活動を活発に行うことでサンプル数の増加を図り、より多くの胎仔の飼育試験を行う。さらに、今回の成果を踏まえて胎仔の飼育方法の見直しと改善を多角的に行い、さらなる長期飼育と展示を目指す。
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