Project/Area Number |
17H00449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学A
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Research Institution | 大阪府農業大学校 |
Principal Investigator |
那須 義次 大阪府農業大学校, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2017: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 食品害虫 / 衣類害虫 / 鳥の巣 |
Outline of Annual Research Achievements |
屋内で発生する食品や衣類の害虫の発生源としての鳥の巣の実態を解明するため、市街地で繁殖する鳥の巣および里山の鳥の巣に生息する昆虫とくに鱗翅類を中心に調査した。さらに、比較のため、申請者が今まで調査してきた、コウノトリ、カワウ、オオタカ、ブッポウソウなどの鳥の巣データと比較して、害虫発生源としての鳥の巣の重要性を評価した。 調査は、繁殖後の5月から10月に和歌山県のヒヨドリ1巣とフクロウ1巣、大阪府のフクロウ4巣、ツバメ8巣、カラ類10巣とキジバト1巣、京都府のコシアカツバメ9巣、神奈川県のスズメ4巣とツバメ2巣、岐阜県のフクロウ6巣、広島県のスズメ3巣、福島県のカラ類8巣でおこなった。 調査の結果、市街地の鳥の巣からは、イガ、コイガといった衣類害虫の発生が多く、ノシメマダラメイガ、カシノシマメイガ、コメノシマメイガといった食品害虫の発生は少ないことがわかった。一方、里山の鳥の巣からはこれら害虫は発生しなかった。両者の巣からはウスグロイガ、マエモンクロヒロズコガといった屋内で発生することはあるが、害虫として問題になっていない蛾が発生した。しかし、屋内で問題となる、スジマダラメイガやスジコナマダラメイガといった貯穀害虫は鳥の巣からは発生しなかった。 以上の結果から、屋内害虫の種類によって鳥の巣への依存度が異なることがわかった。動物質を摂食しているイガ、コイガといった害虫は、市街地の鳥の巣での発生は多く、屋内と鳥の巣の両方を生息場所とし、鳥の巣はこれら害虫の供給源として機能していると推測された。これは、鳥の巣内には、植物質の巣材のほかに、羽毛や羽鞘屑といったケラチンや糞などの動物質が多いためと考えられた。一方、植物質を摂食しているノシメマダラメイガ、カシノシマメイガなどは、鳥の巣での発生は比較的少なく、屋内への依存度が大きいと推測された。さらに、スジマダラメイガ、スジコナマダラメイガといった貯穀害虫は屋内への依存度が非常に高いことが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
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