Project/Area Number |
17H00458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学A
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前坂 昌宏 名古屋大学, 全学技術センター(農), 主席技師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 発育不良花房(奇形花) / 第1段花房摘除 / 着果数 |
Outline of Annual Research Achievements |
夏季抑制栽培育苗では、ハウス内で防虫ネット隔離育苗を行っており、育苗中に花芽分化する第1段花房に発育不良花房(奇形花)が多発する。加えて、昼温が50度を越えるハウス内定植では、第1段果房の着果数が減少し、着果数により生育が不揃いとなるため、施肥管理も難しくなる。 一般に着花習性のリズムを整え、安定させるためには第1段花房に確実に着果させることが重要とされるが、第1段花房を開花時にあえて摘除し、第2~4段を収穫する3段どり低段密植栽培と第1~3段を収穫する慣行3段どり低段密植栽培の試験を自根(実生)苗および市販接木苗を用いて行った。 平成29年夏秋作では着果に影響する第1段花房の発育不良花房(奇形花)はほとんど発生せず、第1段果房の着果が良好であった。そのため、慣行栽培と第1段花房摘除による低段密植栽培において、明確な効果を示すことができなかった。しかし、第1花房切除の有無によって以下のことが明らかになった。 結果および考察 : 3段どり低段密植での各段位の着果数4個、総個数収量12個を目標とすることを記す。 1) 各処理区とも実質第1段(初収穫段)果房の着果数は平均3.5個、総着果数は平均10個であり、第1花房摘除処理の有無、自根株、接木株の差は無かった。 2) 各処理区とも生育の不揃いはほとんど無く、実質第1段収穫果房果実の肥大に伴う施肥管理を行うことができた。 3) 第1花房摘除による収穫開始時期は、慣行栽培と比較して2週間程度遅くなった。 4) 各処理において裂果が多発し、総収量に対して選果基準(外観)に基づく商品価値が低下または商品外果実が4~5割程度発生した。 以上の結果から、慣行栽培と比較して第1花房の摘除は着果数には影響しないことが明らかになった。 しかし、空洞果防止対策としてジベレリン(農薬登録)を着果剤に添加したため、①その処理は1花房につき1回のみで花房内の開花の早晩に応じた処理ができず、着果数が確保できなかった、②果実内部の充実によって裂果果が多く発生したと推察した。そこで、着果剤処理法を変更すれば、着果数増加、果実品質向上をさせ、第1段花房切除による実質3段取り低段密植栽培の技術開発につながると考えた。
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