髄液移行性を考慮した細菌性髄膜炎に対するリネゾリド投与設計法の確立
Project/Area Number |
17H00472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石川 雅之 千葉大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 細菌性髄膜炎 / 髄液移行 / TDM |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】 細菌性髄膜炎は致死率が20%前後に及ぶ重篤な感染症である。治療においては抗菌薬投与早期から投与終了まで治療ターゲットである髄液中濃度を十分高く維持できる適切な投与設計をおこなうことが必須である。 起炎菌としてMRSAが想定される細菌性髄膜炎に対してはバンコマイシン(VCM)あるいはリネゾリド(LZD)が選択される。しかし、LZDの髄液移行に関する報告は限られており、髄液移行性を考慮したLZD投与設計が行えていないのが現状である。 【目的】 髄液移行性を考慮した細菌性髄膜炎に対するLZD投与設計法を確立するため、LZDの髄液移行性を検討する 【結果・考察】 LZD髄液中濃度を測定するためLZD髄液中濃度測定法の確立を行った。アセトニトリルを用いた除蛋白を行った後、HPLC-UV法により測定し、0.5-40μg/mLの範囲で定量可能であることが示された。確立したLZD髄液中濃度測定法により、1症例のLZD髄液中濃度測定を行った。対象症例は表皮ブドウ球菌起因性の細菌性髄膜炎に対してVCMにて治療を行っていたが、治療経過中に細菌性髄膜炎所見の悪化および起炎菌のVCMに対する耐性化が起きた。そこで、VCMの髄液中濃度を測定したところ検出限界未満(<0.24μg/mL)であった。VCM髄液移行不良に伴う細菌性髄膜炎所見の悪化を疑いLZDに変更を行った。変更後は細菌性髄膜炎所見の改善を認め、LZD髄液中濃度を測定したところ3.3μg/mLであった。 以上、本研究によりVCM髄液移行不良症例においてもLZDの髄液移行は良好であり、有効な治療選択肢になる可能性が示された。また、本研究により確立したLZD髄液中濃度測定法は、前処理が簡便であることから、LZD髄液中濃度を測定する有用な方法になると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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