Project/Area Number |
17H00474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大城 隼也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 関節リウマチ / タクロリムス / IL-6 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ患者において、IL-6活性は、関節リウマチの病態に深く関与していることが想定される。一方でIL-6は一部の薬物代謝酵素活性を低下させることが報告されている。そこで本研究ではIL-6濃度とタクロリムス血中動態との関係を評価し、関節リウマチ治療に対するタクロリムスの適正使用法の確立に有用な知見を得ることを目的とした。 関節リウマチに対してタクロリムス投与及びタクロリムス・トシリズマブ併用投与を行う患者より得られた血液検体を用い、タクロリムスの主要な薬物代謝酵素であるCYP3A5の遺伝子多型の解析を行った。また血液中タクロリムス及びその主要代謝産物(M1・M2)の濃度を質量分析計により測定したところ、CYP3A5を発現するCYP3A5^*1 carriersに比べ、CYP3A5を全く発現しないCYP3A5^*3/^*3患者において有意に高い血液中タクロリムス濃度を示した。一方でタクロリムス濃度に対するM1濃度比に有意な差は見られず、M2に関しては全患者において検出限界以下の濃度であった。血液中タクロリムス濃度と血清IL-6濃度との間に相関は認められなかった。またタクロリムス・生物学的製剤併用投与を行う患者について、トシリズマブ併用群及び他の生物学的製剤併用群に分け、比較検討を行った。両群間において、血液中タクロリムス濃度、M1濃度どちらにおいても有意な差は見られなかった。また血清IL-6濃度について、有意な差は認められなかった。 以上の結果より、関節リウマチ患者においてトシリズマブ投与はタクロリムス動態に影響を与えない可能性が示唆された。今後、IL-6濃度と代謝酵素活性との関連や、タクロリムス動態に影響を与える他の因子(薬物輸送担体や薬物間相互作用等)について解析することで、タクロリムスの体内動態と炎症性サイトカインとの詳細な関係解明に繋がると考えられる。
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