Project/Area Number |
17H00504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ-A
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日野 隼人 岡山大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2017: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | Nicotine / SCG / α7 Nicotine性Acetylcholine受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】Nicotineの神経再分布作用の機序として末梢交感神経節のα7Nicotine性Acetylcholine(Ach)受容体を介したラット上頸神経節(Superior Cervical Ganglion : SCG)のNerve Growth Factor(NGF)量増加によるものである事を明らかになっている。さらに、SCG初代培養細胞を用いたin vitro研究の初代培養の実験からも、Nicotineによる神経突起伸張作用は、選択的α7 Nicotine性Ach受容体を介した反応であることが明らかになっている。しかしながら、Nicotineの神経突起伸長作用は強くなく、高濃度領域では抑制傾向が発現することより、Nicotineが作用する受容体が異なる(促進系と抑制系)可能性が示唆された。そこで、本研究は交感神経分布促進作用を明らかにするために、SCG細胞in vitro実験で、新生児ラットからSCGを摘出し、Nicotine受容体を介した交感神経伸長の発現変化の違いを明らかにし、Nicotineの血管周囲神経再分布作用の機序解明を目的とする。 【方法・成果】SCGにおけるNicotineの神経突起伸長作用はNGFに比べて弱く、高濃度では作用が消失するベル型用量反応性を示した。すなわち、Nicotineの作用には、神経突起を促進する相と抑制する相の二相性がある可能性が推察された。そこで、今年度の研究で詳細な解析を行った。その結果、両細胞群において、Nicotineは低濃度領域では神経突起数を増加させるが、高濃度領域では神経突起数の減少を起こすことが明らかとなった。そこで、神経突起伸長数の減少作用がnACh受容体を介しているかについて、nACh受容体遮断薬を用いて検討した結果、増加作用はα7選択的受容体遮断薬であるα-bungarotoxinによって消失したが、減少作用は影響されなかった。しかし、非選択的nAch受容体であるHexamethoniumを併用すると減少作用は消失傾向であった。また、Nicotineによる減少作用はHexamethoniumによって消失された。以上の結果から、ニコチンによる神経突起数の減少は、α7nACh受容体以外の受容体を介した反応である可能性が強く示唆される。すなわち、交感神経分布に対するニコチンの作用には、α7nACh受容体を介した促進作用と未同定のnACh受容体を介する抑制作用の2面性が存在する可能性が示唆される。
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