薬物間相互作用を考慮したカルボプラチン+パクリタキセル療法に最適な制吐薬の検討
Project/Area Number |
17H00519
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ-B
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
神田 紘介 国立大学法人長崎大学, 病院, 技術職員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
Fiscal Year 2017: ¥550,000 (Direct Cost: ¥550,000)
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Keywords | 婦人科癌 / TC療法 / 制吐療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】婦人科癌(子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌など)の術後や再発症例に対する化学療法として繁用されるカルボプラチン+パクリタキセル療法(TC療法)は、日本癌治療学会編「制吐薬適正使用ガイドライン」ver. 2において中等度催吐性リスクに分類される。しかし、海外のガイドライン(MASCC、ASCO)においては、高度催吐性リスクに準じ、アプレピタント(APR)の併用が推奨されている。APRにおいては、タキサン系薬剤でありCYP3A4で代謝を受けるPTXと類似性の高い薬剤であるドセタキセルにおける研究において、その薬物動態には影響を及ぼさないとの報告があることから、APRはPTXの血中濃度には影響せず安全に併用可能とされている(Annals of Oncology 21 : 2316-2323, 2010)。しかし、実際のところは不明であり、安全性の検討が不十分である。そのため、本研究を計画した。 【方法】本研究は長崎大学病院産婦人科でMonthly TC療法が施行される症例を対象、登録期間は2017年4月1日~2018年3月31日、目標症例数は40例とし、実施した。制吐薬選択は介入を行わず、APR併用群、非併用群についてPTX投与後2時間後のPTX血中濃度および知覚神経障害指標としての投与前後のNRS(Numeric Rating Scale)、QOLスコア(FACIT-TaxaneのPHYSICAL WELL-BEING、TAXANE SUBSCALE)を取得した。なお、血中濃度は、HPLC-UV法で測定している。得られたデータを利用し、PTX血中濃度とNRS、QOLスコアをAPR併用群、非併用群について比較し、その影響について評価した。 【結果、考察】39例(APR併用群15名、非併用群24名)の症例が登録された。血中濃度測定は鋭意実行中であり、現在のところ、13例(APR併用群5名、非併用群8名)の測定が終了している。APR併用群(563.8±183.4ng/mL)、非併用群(678.7±264.7ng/mL)であり、有意差は認められていない(p=0.416、Student's t-test)。アンケートの回収率は、94.8%(37例/39例)であった。NRS、FACIT-Taxane(PHYSICAL WELL-BEING)、FACIT(TAXANE SUBSCALE)は、APR併用群、非併用群に有意差は認められなかった(p=0.634、0.053、0.129、Wilcoxon's rank sum test)。解析中ではあるが、現状において、Monthly TC療法にAPRは安全に併用可能であることが、示唆されている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)