Project/Area Number |
17H00547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ-A
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
寺本 賀一 岡山大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2017: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
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Keywords | 多発性硬化症 / グラチラマー酢酸塩 / 皮膚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】グラチラマー酢酸塩は、難病指定されている多発性硬化症に対して2015年に本邦で新たに上市された薬剤である。グラチラマー酢酸塩は、多発性硬化症治療薬の中で最も妊婦への安全性が高いとされているが、副作用として高頻度で注射部位反応が起こることが知られている。しかしながら、注射部位反応の発現機序ならびに予防策に関する基礎的研究はこれまで皆無であった。本研究では、グラチラマー酢酸塩による注射部位反応に着目し、発現機序の解明に関する検討を行った。 【研究方法】グラチラマー酢酸塩をICR系雄性マウスの背部に皮下投与し、形態変化を経時的に評価を行った。形態変化は目視および写真による画像解析を用いて発赤の程度および大きさを測定し、各時点における注射部位周辺の皮膚組織標本を作製し損傷の程度を観察した。 【研究成果】グラチラマー酢酸塩(10-60mg/kg)の投与により、投与開始3日目において投与量依存的に注射部位の障害が確認された。その後、投与を繰り返すことで注射部位反応の発現割合が増加した。発現した注射部位反応は、壊死・皮膚潰瘍・皮膚の肥厚が認められた。Control群である生理食塩水投与群では、これらの注射部位反応は認められなかった。一方、グラチラー酢酸塩投与直後(30分-4時間)では、発赤・腫脹などの反応は認められなかった。 以上の結果から、グラチラマー酢酸塩の反復投与による注射部位反応の解明には本マウスモデルが有用であることが示唆された。今後、本モデルを用いて保護薬の探索を目的に引き続き検討を行っていく。
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