Project/Area Number |
17H00565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ-B
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂本 達彦 北海道大学, 病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2017: ¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
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Keywords | 肝動脈化学塞栓術(TACE) / エピルビシン / 制吐薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】エピルビシン(EPI)は制吐薬適正使用ガイドラインにおいて中等度催吐リスクに分類される。肝動脈化学塞栓術(TACE)施行時に使用するEPIの投与量は約10-50mg/bodyであり、催吐リスクはより軽度であると考えられる。院内における化学療法レジメンの統一に伴い、TACE時に中等度催吐リスクに準じた制吐薬予防投与を実施することとなった。本研究ではその有効性・安全性について評価した。 【方法】EPIを用いたTACEを施行された肝癌患者を対象としてday1-6における消化器症状に対する制吐薬の予防効果、及びその他の有害事象への影響を後方視的に調査した。 【結果】制吐薬使用群51例と未使用群101例での完全制御(嘔吐なし、かつ制吐薬の追加治療なし)率はそれぞれ76.5%、54.5%であり有意な制吐効果が認められた。またday1の悪心、嘔吐は制吐薬使用群で25.5%、11.8%、未使用群で45.5%、28.7%と、ともに制吐薬投与により有意に抑制された。day2-6では制吐薬使用群で21.6%、7.8%、未使用群で31.7%、7.9%と有意な差はみられなかった。副作用としてはday2-6で便秘が制吐薬使用群において49%で出現し、未使用群の21.8%と比較して高頻度であった。 【考察】TACEにより急性期の悪心・嘔吐が高頻度で誘発される一方で、当症状は制吐薬により顕著に抑制されることが示された。制吐薬使用群で便秘が有意に増加したが肝癌患者はその病状的に便秘は回避すべき症状であるため、適切な下剤の使用によりその解消が望ましい。 【結論】TACE施行時のパロノセトロン、デキサメタゾンの予防投与は有効な制吐効果が認められるが、day2-6の制吐効果が乏しいことや便秘を有意に増加させていることから半減期が短い他の5-HT3 blockerへの変更を検討すべきと考えられた。
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