Project/Area Number |
17H00569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ-B
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
土屋 広行 信州大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2017: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 静脈血栓塞栓症 / 抗凝固薬 / 肺血栓塞栓症予防テンプレート |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】手術後は、静脈血栓塞栓症(VTE)の発症予防を行う必要がある。VTE発症の予防策においては、発症リスクの高い患者に対し、弾性ストッキング着用等の他に、必要に応じて抗凝固薬の使用が推奨されている。そこで、当院において①術後のVTE予防における抗凝固薬の使用状況②術後にVTEを発症した患者の抗凝固薬の使用状況の調査を行うことにより、術後のVTE発症率を減少させる方策を検討することを目的とした。 【研究方法・結果】①当院において、2016年10月に「肺血栓塞栓症予防テンプレート」(以下、テンプレート)を使用した患者の中で、VTEの発症リスクを中リスク以下、および高リスク以上と判定された患者の人数を調査した。その結果、中リスク以下、および高リスク以上と判定された患者はそれぞれ268名、92名であった。また、高リスク以上と判定された患者の中で、抗凝固療法が行われていた患者は26名(28%)であった。②2016年7月~同年12月に手術を施行し、かつVTEを発症した患者18名において、テンプレートの使用状況に関して調査した。使用しなかった患者は6名(33%)、中リスク以下、および高リスク以上と判定された患者はそれぞれ7名(39%)、5名(28%)であった。高リスク以上と判定された患者5名の中で、術後に抗凝固薬を使用されていた患者はいなかった。 【考察】①テンプレートで高リスク以上と判定された患者の中で、抗凝固薬を使用していた患者は約3割であった。これは、抗凝固薬による出血を懸念したものの他、抗凝固薬の必要性の認識不足の可能性もある。②手術後にVTEを発症した患者の33%はテンプレートを使用していなかったことから、テンプレート使用の啓発に努める必要がある。また、高リスク以上と判定された患者に対しては、患者ごとに抗凝固薬の必要性を医師と協議する必要性が考えられた。
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