Project/Area Number |
17H00584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学A
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西塔 毅 新潟大学, 医歯学総合病院, 臨床工学技士
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 脊髄 / 高濃度酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄虚血再灌流後の遅延性神経細胞死は、動物実験や臨床においても生じることが広く知られている。そのゆえ、脊髄虚血による影響を調べるには、急性期のみならず遠隔期の評価が必要と言われている。これまでの少数の動物実験による研究結果において遅延性神経細胞死は、虚血に伴う炎症の増悪や酸化ストレスの増強などが影響していると示唆する報告があるが、何が影響するか明らかになっていない。また、一般的に高濃度酸素の吸入は、酸化ストレスの増悪を引き起し、様々な障害をきたす報告は数多くされている。一方、短期間の高濃度酸素は、疲労回復や美容に効果的との報告もある。更に、ラット脳虚血再灌流実験においては、短期的な高濃度酸素投与で、脳梗塞領域を軽減できた報告もあり、単純に高濃度酸素投与による酸化ストレスの惹起が悪影響を及ぼすわけではないかもしれない。このように、脊髄虚血を伴う手術中における酸素濃度は、遅延性神経細胞死に影響を及ぼしそうだが調査した報告はない。それゆえ、高濃度酸素投与が及ぼす遅延性神経細胞死の影響を調査した。実験方法は、吸入酸素の異なるラット脊髄虚血再灌流モデルを用いて検討を行った。評価は虚血後の下肢運動能と再灌流後の血清中のヒドロペルオキシド(酸化度の)と炎症性サイトカイン濃度を用いた。その結果、高濃度酸素を吸入した群は通常群と比較して、遠隔期の下肢運動能障害が軽度の傾向が有り、血清中の酸化ストレスの程度と炎症性サイトカインに差は認めなかった。今回のような短期的な高濃度酸素投与は酸化ストレスを増強させるよりも遅延性神経細胞死を軽減できるかもしれない。
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