法医鑑識におけるDNA型の多様性を利用した新しい追跡用マーカーの開発
Project/Area Number |
17H00606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学B
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Research Institution | 広島県警科学搜査研究所 |
Principal Investigator |
佐々木 隆弘 広島県警科学搜査研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
Fiscal Year 2017: ¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
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Keywords | DNAマーカー / 追跡用マーカー / 防犯設備 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年配備が進む防犯設備は、その存在を気づかれた場合は対策を取られやすい欠点がある。また、追跡用マーカーは、同時期に同じエリアで使用できないといった欠点がある。DNAは無色無臭で、さらに、その配列を変えればほぼ際限の無い種類を作成できるため、マーカーとして利用すれば、既存のものの欠点を補うことができると期待される。そこで本研究では、合成DNAが、マーカーとして有用であるかを検討した。 まず、自然界に存在しないある塩基配列に、プライマー領域を付加した合成DNAを作成した(以下、DNAマーカーとする)。なお、このDNAマーカーは現在の日本警察の鑑定で用いられているPCR増幅試薬では検出されないことを確認している。また、DNAマーカーの検出に用いるプライマーはこのDNAマーカーのみ増幅することを確認している。 次に、作成したDNAマーカーにおいて、各温度条件下での経時変化(4℃、室温、37℃を各最大8日間放置)、紫外線照射下での経時変化(紫外線照射器254nm、120mJで最大320秒間照射)、接触回数による変化(最大32回目まで回収)、屋外環境下での経時変化(日向、日陰で各最大4日間放置)を検討するため、各条件においたDNAマーカーを回収し、精製、定量、PCR、アガロースゲル電気泳動を行い、増幅バンドの検出を行った。 その結果、各温度条件下、紫外線照射下においては時間経過により回収DNA量の減少がみられ、接触回数においてもその回数が増えるごとに回収DNA量の減少がみられたが、いずれもすべての回収DNAマーカーについて検出ができた。しかし、屋外環境下では、日向、日陰とも時間経過により急激に回収DNA量の減少がみられ、日向では2日目、日陰では4日目で検出不能となった。 これらの結果から、今回作成したDNAマーカーは長時間の屋外放置等の状況を除けば、検出感度も非常に高く、追跡用マーカーとして十分有用であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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