Project/Area Number |
17H00616
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学B
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
樋口 裕哉 国立大学法人群馬大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | チエノピリジン系 / ADP受容体P2Y12 / 薬効評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床現場で主に使用されるADP受容体P2Y12阻害薬の血小板凝集抑制作用は、さまざまな要因によって大きく変動することが知られている。一方で統一した凝集能評価法は構築されておらず、血小板凝集能の維持時間が短いため、臨床現場では採血後即座に凝集能の測定を行う必要がある。そのため、血小板凝集能の評価が行われないまま多くの患者に対して抗血小板療法が行われている。血小板凝集能を評価しながらより効果的かつ安全に抗血小板薬を使用するためには、血液サンプルの保存方法等による影響を受けない血小板凝集抑制作用の評価法を確立することが重要である。 初めに、チエノピリジン系薬剤のP2Y12阻害薬の受容体への結合量が薬効を反映すると考え、質量分析計による分析を試みたが、困難であることが明らかとなった。 抗血小板薬は血小板凝集カスケードの最下流に位置するIntegrinαⅡbβⅢの活性化を阻害することでその凝集抑制作用を発揮する。そこで、血小板凝集カスケードの下流に位置するTalin、IntegrinαⅡbβⅢを標的とし、それらのリン酸化レベルが血小板凝集能を反映すると考え、既存の凝集能評価法との関係を評価することとした。 リン酸化レベルの測定のために、定量性に優れる質量分析装置を用いることとし、Talin、IntegrinαⅡbβⅢのアミノ酸配列のうち、特異性が確認でき、リン酸化ペプチドの報告のある標的リン酸化ペプチドを決定した。その後、それら標的リン酸化ペプチドの測定系を確立するために、多血小板血漿と乏血小板血漿を精密質量分析装置で測定し、多血小板血漿特異的なピークを多変量解析により求め、その中からTalinの標的ペプチドが測定可能であることを見出した。現在は、IntegrinαⅡbβⅢの測定系の確立を試みつつ、Talinのリン酸化レベルと光透過性により血小板凝集能を測定するaggregometerによる既存の凝集能評価法との関係を解析中である。
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