Project/Area Number |
17H00630
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学A
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
馬渕 春菜 順天堂大学, ゲノム・再生医療センター, 研究補助員
|
Project Period (FY) |
2017
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
|
Keywords | iPS細胞 / アストロサイト / オリゴデンドロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
【本年度に行った研究の成果】 これまで、疾患特異的iPS細胞を用いた神経変性疾患研究は、ニューロン単独に着目した研究が主に行われており、グリア側における異常を踏まえた研究報告例は殆ど存在しない。近年、グリア側の異常が神経変性の病態に深く関与していると考えられているが、グリア系細胞への誘導は効率が低く、長期間の培養を要することが障壁となり再現が難しかった。申請者は、この点を改善すべくヒトiPS細胞からグリアへの誘導法の改良を試み、従来法より短期間でアストロサイト・オリゴデンドロサイトへの高効率な分化誘導法を確立することを目的とし研究を行った。申請者の所属する研究室は、BMP、TGFβ受容体、GSK3βの3つ阻害剤カクテルを用いることで、ヒトiPS細胞からニューロンへの分化誘導効率・成熟速度が速い神経幹細胞を誘導することに成功している(K Fujimoriet al. Stem Cell Reports. 2017)。この方法を基盤として、脊髄腹側領域への誘導を介し、PDGF-AA・Neurotrophin・といった細胞外因子や神経保護因子を駆使することで、従来報告されているオリゴデンドロサイト(100日間)・アストロサイト(200日間)より短期間である50日間前後での安定的な分化を行うことができる誘導法を確立した。さらに、申請者が確立した分化誘導法は、脊髄腹側領域だけではなく中脳腹側領域からもGFAP/S100B陽性のアストロサイトを短期間で誘導することが可能であることを確立した。 本研究で確立した技術は、現時点では困難なパーキンソン病(中脳領域)やALS(脊髄領域)における疾患iPS細胞を用いたグリア系細胞内の疾患機序解明や創薬スクリーニングといった分野に応用することが可能であり、利用価値の高い知見が得られることが期待できる。
|