肝線維化モデル動物を用いた抗肝硬変治療薬候補化合物の薬理作用解析
Project/Area Number |
17H00647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学B
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
門野 千穂 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 抗線維化剤 / マウス肝NASH線維化モデル / 肝星細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝線維化疾患の治療薬は肝細胞を標的とした機能解析およびスクリーニングにより開発がなされてきたが、本研究グループは肝臓構成細胞間の相互作用に着眼し、抗線維症治療薬候補となりうる、HSC活性化を阻害する因子の探索を行い数個のリード化合物の選定を行ってきた。方法としてHSC活性化の指標遺伝子であるヒトCOL1A2のプロモーター下流に赤色蛍タンパクmCherry遺伝子を導入した星細胞株を構築した。この細胞系を用いて、GloMax Multi Detection Systemで経時的に蛍光強度の定量をし、2万化合物ライブラリー(大阪大学創薬推進研究拠点)から星細胞活性化を抑制し、弱毒性の化合物を探索した。Hit Validationから数十化合物(骨格)に絞り込み、さらに、In vitro実験で化合物添加により線維化関連遺伝子の発現抑制を確認した。結果、数個の化合物から最もHSC活性化抑制効果を示した、化合物Aを選出した。化合物AはIn vitro系でCollagen, αSMAなど線維化関連因子の発現を減弱し、強力な活性化誘導因子であるTGF-βに拮抗しHSCの活性化を抑制した。本研究では化合物Aの薬効作用をin vivo実験で立証し前臨床試験を終了することを目的とした。肝線維化モデル動物を用いた候補化合物評価および薬理作用の解析を行うために、マウス肝線維化モデルとして、thioacetamideをエスカレーション法により腹腔内投与し、溶媒または候補薬剤を2週間投与後、マウスの肝臓組織を溶媒群と候補薬剤群で比較し、薬剤による線維化軽減を観察した。また、病態モデルの血液を継続的に採取し、血清調整後ASTおよびALTの肝機能パラメーターを計測した。結果、化合物A投与群は、コントロール(溶媒)群に比較して、AST, ALT共に有意に減少し、また、HEにより肝組織の障害レベルが減衰、およびSirius Red染色により線維化軽減が認められた。さらに、現在、高脂肪高コレステロール食(HFCD)による肝NASH線維化モデルを作製し、更なる化合物の薬効と毒性試験を行っている。この結果により化合物Aを含む抗線維化剤について特許を出願した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)