ヒト化マウスを用いたドナー特異的HLA抗体(DSA)産生B細胞の分化・機能の解析
Project/Area Number |
17H00661
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
野田 貴幸 愛知医科大学, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | ヒト化マウス / B細胞培養 / HLA抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 ドナー特異的HLA抗体(DSA)は、抗体関連型拒絶反応による移植臓器廃絶の原因となる。しかし、DSAの有無と抗体関連型拒絶反応が連動しない、特に血清中で陰性のまま拒絶反応を来たす症例もある。 我々はDSA産生前駆B細胞がレシピエント体内に存在しうると考え、患者末梢血B細胞培養によるDSAの検出を試みてきた。B細胞の活性化・分化に必須のサイトカインを加えるin vitro解析では、血清中DSA陽性例であっても検出されない症例を経験した。可能性として、未だ同定されていないB細胞の成熟に必須の因子の存在が考えられる。そこでDSA産生B細胞の分化・機能をin vivoで解析するために、ヒト末梢血リンパ球を用いたヒト化マウスの構築を試みた。 【方法】 T, B, NK細胞の欠失した重度免疫不全マウス(NSG)を用いた。尾静脈よりレシピエントPBMCを移入し、経時的に末梢血を採取した。免疫細胞の生着はフローサイトメトリーで検討した。 【結果・考察】 7日おきにマウス末梢血中のヒトCD3陽性細胞を確認したところ、35日目頃から著明に増えていた。その増殖はGVHD発症との関連を認めた。このことから、マウス体内におけるヒト末梢血リンパ球からのT細胞免疫系の構築が示唆された。一方、CD19陽性細胞は顕著な増加はみられなかった。 本研究は動物の作出自体に時間を要するため、脾臓・骨髄の解析までは及ばなかった。本来、抗体産生B細胞が存在しやすい環境は、末梢血よりも脾臓・骨髄と考えられるため、今後は脾臓・骨髄の解析を試みる。B細胞が確認されたのち、ドナーリンパ球で感作を行うことで、DSA産生モデルができることを期待している。 【意義・重要性】 今回作製するDSA産生マウスモデルが構築できれば、抗体産生B細胞の局在・早期診断の有効性・慢性拒絶反応の機序の解明にも有用な情報を提供することが期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
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