前立腺全摘除術後尿失禁に対する超音波併用骨盤底リハビリテーションの有用性の検討
Project/Area Number |
17H00665
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 明子 東京大学, 医学部附属病院, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2017
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
Fiscal Year 2017: ¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
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Keywords | 骨盤底リハビリテーション / 経会陰超音波 / 前立腺全摘除術 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】前立腺全摘除術後の尿失禁は回避の難しい合併症であり、術直後は大多数の症例が経験する。尿失禁がQOLに及ぼす影響は大きく、自尊心を低下させ、パッド使用の煩雑さや羞恥心は外出などの活動を制限する要因となる。そのため、術後早期の尿禁制再獲得がQOL上重要である。本研究では前立腺全摘除術を受ける患者を対象に、術前から経会陰超音波(US)画像を用いたバイオフィードバックを併用した骨盤底筋リハビリテーションを実施し、尿失禁の早期回復に対する効果を検証する。 【対象と方法】対象 : 2016年2月~2017年11月までに当院の泌尿器科で前立腺全摘除術を受け、本研究の参加に同意の得られた患者116名を研究対象者(介入群36名、対照群80名)とした。方法 : 1)骨盤底筋の機能や解剖について図、模型にて説明し、実際の収縮方法を口頭指示と筋の触診で指導する。2)経会陰US画像を示しながら骨盤底筋の収縮状態をフィードバックし、運動学習を支援する。3)以後定期的に、尿失禁が消失するまでUSを用いた骨盤底筋訓練指導を実施する。4)対照群は術後にリーフレットを用いた口頭指導のみ実施した。調査項目 : 1)個人属性、2)失禁 : 主要下部尿路症状スコア(CLSS)、国際尿失禁会議質問票短縮版(ICIQ-SF)、尿失禁QOL質問票(I-QOL)、24時間パッドテスト。有効性の主用評価項目は、尿禁制獲得までの期間とし、パッド1枚(20g以下)/日を禁制獲得として排尿日誌を確認した。 【結果】平均年齢は両群とも66.5歳、BMIは24だった。がんの悪性度や術前の過活動膀胱症状の有無も両群間で大きな差はなかった。手術に要した時間が介入群で有意に長いという結果は出たがその他の評価項目で有意差はなかった。尿禁制再獲得までの期間については、術後50日で介入群は約60%、対照群は約40%の改善が得られた。 【考察】術前から経会陰USを併用した骨盤底リハビリテーションを受けた患者は、術後の尿禁制再獲得が有意に促進しており、その有用性が確認できたと考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)