Project/Area Number |
17H00667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学C
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森 沙耶香 国立大学法人 長崎大学, 病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2017: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / 急性リンパ性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 慢性骨髄性白血病(CML)および一部の急性リンパ性白血病(ALL)に見られる融合遺伝子bcr-ablには、Major bcr-abl(p210)とminor bcr-abl(p190)の2つが存在することが広く知られており、このような融合遺伝子の同定検査はCMLおよびフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)ALLの診断に用いられている。CMLでは95%以上の症例でMajor bcr-ablが認められるが、稀にminor bcr-ablが発現している症例も認められる。またPh+ALLでは70%以上の症例でminor bcr-ablの発現が認められるが30%程度はMajor bcr-ablが発現していると報告されている。すなわち腫瘍細胞の系統も病態も大きく異なるCMLとPh+ALLはいずれもbcr-ablが腫瘍化の原因となっているが、タイプの異なるMajor、minorの2つのbcr-ablがいかにしてCMLおよびPh+ALLへの進展に関わっているのかはいまだ明らかにされていない。一方、bcr-ablと同時に形成されるabl-bcr遺伝子については解明されていない部分が多く、今回abl-bcr遺伝子について基礎的研究を行う。 【研究方法】 まずCML細胞及びPh+ALL細胞のモデルとしてそれぞれCML細胞株K562及びPh+ALL細胞株SUPB15を用いてabl-bcr mRNA定量発現解析を行い、これを基にCML患者およびPh+ALL患者由来白血球におけるabl-bcr mRNAの発現量と病態との比較を行う。minor bcr-abl陽性CMLは比較的稀な疾患であるが、腫瘍化に関与する候補遺伝子を絞るため、6症例を目標とし症例の収集を行う。 【研究成果】 CML症例について、Major bcr-abl陽性群とminor bcr-abl陽性群を比較した結果、minor bcr-abl陽性群の方が、治療の奏効率が低い傾向が伺え、minor br-abl ALLに近い治療効果の奏効率であった。また、Major bcr-abl陽性群とminor bcr-abl陽性群を比較した結果、minor bcr-abl陽性症例の方がabl-bcr mRNA発現量が高い傾向があった。さらに、minor bcr-abl陽性ALLとCML症例のabl-bcr mRNAについてシーケンス解析を行った結果、ALLは変異が検出されない症例が多かったが、CMLでは全例、abl-bcrの3'UTL領域に塩基変異が認められた。これより、この領域に関与するmincro RNAの関与などが示唆された。
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