慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者に対する骨格筋電気刺激の安全性と有用性の解明
Project/Area Number |
17H00701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
餅 脩佑 獨協医科大学, リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2017 – 2018
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
Fiscal Year 2017: ¥350,000 (Direct Cost: ¥350,000)
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Keywords | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / リハビリテーション / 骨格筋電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(以下CTEPH)患者に対する電気的筋肉刺激(EMS)の安全性及びその有用性を解明することである。従来、CTEPHを含む肺高血圧症(以下PH)患者に対する運動療法は禁忌とされてきたが、近年、適切な運動療法により運動耐容能を改善させることが報告されている。しかし、PH患者は労作時の呼吸困難や易疲労性から臥床傾向にあるため活動量が低下していることが多い。そのため、CTEPH患者に対する経皮的肺動脈形成術(BPA)を施行し、中枢機能が改善しても治療前の臥床による筋萎縮からADLが低下しており、術後早期から運動療法を開始することが困難な症例が多い。 EMSは運動療法開始までのブリッジ的側面や低負荷な運動強度に制限されたリハビリテーションの補完的機能として期待できる。近年、下肢全体の筋を同時収縮が可能となったベルト式EMS装置が発表されたが、安全性の報告は少なく、CTEPHにおいては皆無である。 研究の方法として、CTEPH患者に対し、年に1回定期的に行われる心臓カテーテル検査時にEMSの安全性の検査を実施した。EMSの刺激強度は修正Borgスケールを用い、各患者の修正Borgスケール3と8にあたる強度で実施した。測定項目は肺動脈圧、右心房圧、心係数、乳酸値、血圧、心拍数、カテコラミン3分画、SpO2とした。 現在CTEPH患者5例に対し、EMSを実施した。その結果全ての測定項目に有意差はみられなかった。しかし、検査前日から輸液を施行していたCTEPHの1例のみEMS施行中の肺動脈圧に10mmHgの上昇がみられた。 この結果から、CTEPHに対するEMSは輸液等により循環血液量の増加した状態でのEMS施行により静脈還流量の増加から肺動脈圧の上昇を招いたと考える。本年度、数例のCTEPH患者の入院がみられたが、本研究の内容を説明したが、拒否の訴えがあり、研究の進捗が滞っている状態である。(現状を受け、現在心臓カテーテル検査に代わり、非侵襲的な心エコーを用いてEMSの安全性の検討を継続している。)
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)