Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 知的障害児・者の余暇支援活動である, 藤岡土曜クラブの各講座について, 障害児・者の運動量を調査することを通して, 各講座が肥満における運動量の確保に寄与しているのかという観点を持って調査研究を行った。 ○研究方法 : 藤岡土曜クラブ参加者かつ, 本人及び保護者による同意の得られた者のうち, 講座全9回中およそ半分の4回以上参加した者を対象として, 通所より退所まで生活習慣記録機ライフコーダGS(kenz社製)を衣服の上より腰部に装着し測定した。歩数, 運動量, 運動強度の測定結果の分析を行った。 ○研究成果 : 実施した講座の中で, 測定した平均歩数では, フットサル, レクリエーションが約2800歩, 2600歩と高かった。一方, 臨床美術, 合唱は600歩, 950歩と少なかった。運動量, 運動強度も同様な結果となった。測定した歩数の多かった者は, 上記平均の歩数と同じ傾向が見られた。測定した歩数が少ない者は, フットサルやレクリエーションに参加しなかったり, 参加した場合でも歩数の高かった者との比較で半分以下の歩数であったりした。このことから, 日頃から運動の苦手な参加者は, 運動量の多い講座には参加しない傾向がうかがえることが分かった。各講座の時間や開閉会式の所要時間, 通所退所時間を合わせると, ほぼ午前中の時間を使用すること。かつ, ほとんどの参加者が会場まで自家用車による送迎であることを考え合わせると, 平均歩数の多かった者でも一日の中では決して多い運動量ではないことが分かった。講座の中では, ダンスや軽スポーツのように, 運動量が多いことが予想されたが, ダンスについては, ヒップホップ系であり, 音に過敏な者の不参加や活動量の低下, 軽スポーツについてはソフトボウリングやフロアカーリングなどの待ち時間の多い種目であったことなどから運動量が上がらなかったと考える。以上を運動量の面から総合的に考えると, フットサルやレクリエーションのような活動時間いっぱい体を使う講座の実施がよいこと。ダンスや軽スポーツなどの講座では, 環境の改善や実施種目の工夫を行うことにより, 運動量の確保に役立つと考えられる。臨床美術や音楽の講座では運動量が少なく, 講座だけでは運動量の確保が難しく, 家庭での運動量の補完が必要なことが考えられる。
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