Project/Area Number |
17H06127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Algebra
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 政彦 神戸大学, 数理・データサイエンスセンター, 教授 (80183044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰彦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (00202383)
岩木 耕平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (00750598)
太田 泰広 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10213745)
望月 拓郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10315971)
佐野 太郎 神戸大学, 理学研究科, 助教 (10773195)
吉岡 康太 神戸大学, 理学研究科, 教授 (40274047)
Rossman W.F 神戸大学, 理学研究科, 教授 (50284485)
三井 健太郎 神戸大学, 理学研究科, 助教 (70644889)
野海 正俊 神戸大学, 理学研究科, 名誉教授 (80164672)
大仁田 義裕 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90183764)
光明 新 神戸大学, 数理・データサイエンスセンター, 講師 (90760976)
小池 達也 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80324599)
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Project Period (FY) |
2017-05-31 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥119,600,000 (Direct Cost: ¥92,000,000、Indirect Cost: ¥27,600,000)
Fiscal Year 2021: ¥23,140,000 (Direct Cost: ¥17,800,000、Indirect Cost: ¥5,340,000)
Fiscal Year 2020: ¥23,400,000 (Direct Cost: ¥18,000,000、Indirect Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2019: ¥24,440,000 (Direct Cost: ¥18,800,000、Indirect Cost: ¥5,640,000)
Fiscal Year 2018: ¥28,860,000 (Direct Cost: ¥22,200,000、Indirect Cost: ¥6,660,000)
Fiscal Year 2017: ¥19,760,000 (Direct Cost: ¥15,200,000、Indirect Cost: ¥4,560,000)
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Keywords | 可積分系 / モジュライ空間 / モノドロミー保存変形 / 量子コホモロジーとミラー対称性 / 混合ツイスターD加群 / 混合ツイスターD加群 / 見かけの特異点 / リーマン・ヒルベルト対応 / パンルヴェ方程式 / 分岐不確定特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
齋藤は、代数曲線上の放物接続や放物Higgs束のモジュライ空間の連接層のコホモロジーの計算を行った。稲場は確定特異点が不分岐な不確定特異点に合流する場合のモノドロミー保存変形を詳しく解析する論文を発表した。望月は、非コンパクトなケーラー多様体上の、解析的に安定な正則ベクトル束がエルミート・アインシュタイン条件を満たす計量を持つことを示し、周期的モノポールの分類に応用する論文を発表した。大仁田は、ケーラーC空間に埋め込まれていた任意のR空間は大域的にタイトなラグランジュ多様体である事を証明した。山田は、ネクラソフ分解関数を共形場理論の観点から考察し、ビラソロ代数の4点関数に相当する場合の微分方程式を分析した。Rossmanは、離散化された解析的曲面の大域的性質、可積分系による特徴付け、現れる特異点の解析を行った。研究協力者の岩木は、研究分担者であった小池との共著論文で、合流型のガウス超幾何微分方程式のWKB解析により現れるVoros係数が、量子曲線から実現される位相的漸化式によって表される事を示した。野海と山田は、Ruijsenaarsと共同でE8型楕円パンルヴェ方程式に対する山田のLax形とvan DiejenのBC1型の楕円差分作用素との関連を明らかにした。 三井は、小平次元0の楕円曲面に付随する不変量を計算した。佐野は、ケーラーでないカラビ・ヤウ多様体で第2ベッチ数がいくらでも大きい例を構成した。 関連する国際研究集会をフランス、京大数理研、神戸大学等で合計5件開催した。特に、ブルゴーニュ大学で、関連するヨーロッパと日本の研究者を集めて、国際研究集会「Geometry and Integrable Systems」を開催した。3月に、インド、ムンバイのTata研究所で、ベクトル束に関する日・印合同研究集会を開催する予定であったが、コロナウイルスの感染拡大のため延期とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代数曲線上の特異接続のモジュライ空間およびモノドロミー保存変形の幾何学については、稲場の分岐を許す不確定特異点の場合の研究、確定特異点から不分岐不確定特異点への合流の研究が進んでいる。齋藤とSzaboの見かけの特異点とその双対を持ちいたモジュライ空間の座標により、詳細な記述が可能になっている。その結果から、特異接続のモジュライ空間の連接層のコホモロジーの計算がある種の代数曲面のコホモロジーの計算に帰着する事が明らかになった。幾何学的ラングランズ対応への新しいアプローチとして注目している。9月に神戸へ招聘したBiswasと、齋藤、稲場、光明によって、関連するモジュライ空間の共同研究も始まっており、今後の進展が期待される。望月の小林・ヒッチン対応の拡張を示し、周期的モノポールと差分方程式の対応に応用した。また、純ツイスターD加群に関してもいくつかの基本的結果を得た。野海、山田の離散パンルヴェ系に関する研究も大いに進展しており、また山田の共形場理論的な研究も注目される。Rossmanは、微分幾何に現れる曲面の離散化に関して、可積分系や特異点理論を用いて多くの成果を得た。大仁田はケーラーC空間に埋め込まれたR空間がタイトなラグランジュ部分多様体であるという結果を示した。研究協力者の岩木は、小池と竹井との共著論文において、合流型のガウス超幾何微分方程式のWKB解析により現れるVoros係数が、量子曲線から実現される位相的漸化式によって表される事を示した。これ以外にも、岩木はMarchal, Saenzと共に、6種類のh依存のパンルヴェ微分方程式を導出する線形方程式のLax対がある種の位相的漸化式を満たし、対応するモノドロミー保存τ関数のh展開を決定できるという著しい結果を示した。三井、佐野の研究も順調に進んでいる。研究代表者、分担者、協力者は、国内外で多数の招待講演を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
不確定特異点をもつ接続やストークス構造の幾何学、およびリーマン・ヒルベルト対応、モノドロミー・ストークスデータ保存変形等について、包括的に研究を進める。また、高次元双有理幾何学の観点から放物接続や放物Higgs束のモジュライ空間の詳細な構造の研究を進めるとともに、可積分系への応用を進める。また幾何学的ラングランズ対応をフーリエ・向井変換によって与えるために、放物接続のモジュライ空間の連接層のコホモロジー群の決定を行う。非アーベル的ホッジ対応の下での上記モジュライ空間の変形と一般化されたストークス・モノドロミー空間の構造を調べ、「P=W予想」や混合ホッジ構造についての予想などついて研究し、数理物理学的な考察を行う。離散パンルヴェ方程式などの理論を整理し、幾何学的な対応を考察する。位相的漸化式とWKB解析の関係、モノドロミー保存変形との関係に関して、岩木の理論を幾何学的に焼き直し、問題の新たな定式化、そして量子曲線の理論等との関係を明確化する。Lisovy・名古屋らのパンルヴェ方程式のτ関数の研究を様々な観点から考察し、理論の背景を探り、モノドロミー保存変形τ関数の幾何学的意味を明確化する。 国内外の一流研究者を集め、また若手の育成を図る機会とする。高次元代数幾何学分野、数理物理学・ミラー対称性分野については、それぞれ研究分担者、研究協力者の専門分野において独自の研究を進めるとともに、上記研究を活かした新たな共同研究の可能性を探る。 国内および海外の研究者との共同研究も進めるが、コロナウイルスの影響を回避するために、ウェブによる研究セミナー、研究打ち合わせ、講演会も積極的に行っていく。コロナウイルスの影響が収束した後に、大規模な国際研究集会が開催出来るよう検討する。
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Assessment Rating |
Result (Rating)
A: Progress in the research is steadily towards the initial goal. Expected research results are expected.
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