気候変動対応型の水稲省力栽培に向けた基礎研究:イネ苗立ち改善に着目して
Project/Area Number |
17H06617
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Crop production science
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 洋一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50463881)
|
Project Period (FY) |
2017-08-25 – 2019-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
|
Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2017: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | イネ / 直播 / 気候変動適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯アジアのイネ生産は気候変動の影響を大きく受けている。雨季到来が変動しており、インフラ未整備の天水田地域では、灌排水が困難なためイネ作付が不安定となっている。若年層の都市流出による労力不足は、収益性の低い貧しい不良環境において顕著であり、集約的稲作の導入をますます困難にしている。 本研究では、イネ作付時の水環境の変動に対処する省力稲作技術確立を社会実装における最終目標とし、熱帯不良環境水田における省力直播栽培のイネ苗立ちに優れた系統の同定、生理生態・形態の機構解明を研究目的とした。フィリピン北部の典型的な干ばつ常襲地帯の、人口流出が顕著な過疎地において、省力直播における優良品種の農民参加型実証試験を行った。対象農家は、地方自治体の農業改良普及員、現地研究者の協力を得ながら選定した。 その結果、雑草の無い水がかりの良い条件の天水田では対象地域の農家が好んで用いる品種の方が耐乾性新品種よりも収量が高かったが、干ばつ条件もしくは雑草繁茂の著しい条件の天水田では耐乾性新品種の方が収量が34%高かった。耐乾性新品種は、農家が用いる品種より、実際の干ばつ常襲地帯の天水田において出芽・苗立ち率および初期生長量が安定して高いことが確認された。試験ほ場において播種量・耕起条件を同一に揃えて苗立ち率を確認したところ、農家天水田での結果と同様に、乾燥下で耐乾性新品種の出芽・苗立ちが優れることが明らかとなった。また、これに関連して、干ばつ下、洪水下での出芽の安定性に寄与する形質探索のための予備試験をいくつか行った。 本結果は耐乾性新品種の種子生産・普及プログラムの展開において、対象地域・対象条件の明確化に寄与すると考えられる。
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)