Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
申請者は、侵襲性歯周炎の疾患関連遺伝子の一つとしてsphingomyelin phosphodiesterase 3(SMPD3)を同定し、SMPD3が歯根膜細胞の骨芽細胞への分化を制御することを見出した。本研究課題は、SMPD3の歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化制御メカニズムを分子レベルで解明することを目的とする。平成29年度の研究成果について以下に報告する。はじめに間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化におけるSMPD3の関与を詳細に検討した。すなわち、マウス間葉系幹細胞株KUSAにSMPD3阻害剤GW4869を添加し、石灰化ノジュール形成能を検討した。まずMTTアッセイおよびトリパンブルー染色法を行い、3~10μMを GW4869の至適濃度とした。さらにKUSAにGW4869を3~10μM添加し、石灰化誘導培地を用いて2~5日間培養した後アリザリンレッド染色を行ったところ、GW4869はKUSAにおける石灰化ノジュール形成能を低下させた。以上のことからSMPD3は間葉系幹細胞の石灰化物の沈着を促進させることが明らかとなった。次に、SMPD3のヒト歯根膜細胞(HPDL)の骨芽細胞への分化制御メカニズム解明のために、SMPD3シグナルの下流因子スフィンゴシン1リン酸(S1P)の受容体(S1PR)の発現をPT-PCR法を用いて検討した。その結果、HPDLにおいてS1PR2ならびにS1PR3が強く発現していることを見出した。本研究結果から、SMPD3はKUSAにおける石灰化物の沈着を促進させることが示唆された。またHPDLの骨芽細胞への分化制御メカニズムとしてS1PならびにS1PR2/3を介したSMPD3シグナルが関与している可能性が示唆された。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
All 2018 2017
All Journal Article (2 results) Presentation (5 results)
J Periodontal Res.
Volume: 53 Pages: 200-209
日本歯周病学会雑誌
Volume: 59 Pages: 1-9
130006825064