淡水中の金属カチオンに着目した金属材料の新規腐食予測・防食方法
Project/Area Number |
17J00602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Material processing/Microstructural control engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
大谷 恭平 北海道大学, 大学院工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2017)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2017: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 腐食 / 鋼 / 電気化学 / 金属イオン / カチオン / インヒビター / 腐食抑制剤 / 淡水 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①淡水の成分から実用材料の腐食挙動を予測できる新規腐食指標の構築、②金属カチオンの添加による腐食抑制剤の性能向上、を目的とした。 目的①を実現するため、これまで金属カチオンが淡水に単独で含まれる場合にのみ対応していた腐食指標を、複数の金属カチオンが存在していても対応する新規腐食指標Zへ改良した。指標Zは、金属材料表面に複数種の金属カチオンが保護被膜を形成した場合に生じる保護能力の変化に関する因子を組み込むことで、淡水に複数の金属カチオンが含まれるケースにも対応させることができた。金属カチオンが混合する模擬淡水中の鋼の腐食速度を腐食試験や電気化学試験により測定し、得られた腐食速度を腐食指標Zを用いて整理した所、鋼の腐食速度は溶液中に含まれる金属カチオンに関する腐食指標Zが増大するに伴って減少することを見出し、目的①を達成できた。この指標は、以前の指標に比べて実際の環境に即した環境でも高い精度で実用材料の腐食速度の予測を可能としており、適切な予防保全により実用材料の経済性、安全性向上に貢献できると考えられる。 目的②を実現するため、グルコン酸ナトリウム(腐食抑制剤)とNaClやZnCl2など金属カチオンの異なる塩化物を添加して、金属カチオンの異なる腐食抑制剤を含んだ模擬淡水を作製し、鋼の腐食速度や腐食機構を腐食試験や電気化学試験により測定・分析した。結果から、グルコン酸ナトリウムの腐食抑制能は添加した金属カチオンのYの値に伴って向上し、Yの大きい金属カチオンはグルコン酸保護層の欠陥部に結合して、欠陥面積を減少させることで腐食抑制能を向上させることを見出し、目的②を達成することが出来た。この結果は、その他の腐食抑制剤も金属カチオンの添加により腐食抑制能が向上することを示唆しており、この簡易な方法による腐食抑制能の向上は環境面、経済面で産業に貢献すると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)